「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」の名文句で知られた映画評論家の水野晴郎(みずの・はるお、本名・和夫=かずお)さんが10日、死去した。76歳だった。
岡山県出身。2歳から終戦まで中国東北部(旧満州)で過ごした。帰国後、米国映画に出会い、「本当の民主主義の意味を教えられた」と夢中になった。
慶応大学文学部卒業後、56年に20世紀フォックス映画に入社。日本ユナイト映画へ移って宣伝総支配人などを務め、72年に独立。同年から97年まで日本テレビ系の「金曜ロードショー」の解説を約1200回務めた。
映画製作も手がけ、95年からミステリー映画シリーズ「シベリア超特急」の監督・主演を務めた。同シリーズは7作を数える。「日本アカデミー賞」「ゴールデン・グロス賞」「日本映画批評家大賞」を発案し、日本映画の発展に寄与した。
毎日新聞 2008年6月11日 12時47分(最終更新 6月11日 13時08分)