スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』
市川右近、市川段治郎、市川笑也ほか。6月9日から27日。中日劇場
【社会】看護師が点滴作り置き 三重・伊賀の患者死亡2008年6月11日 12時24分 三重県伊賀市の整形外科診療所「谷本整形」で鎮痛薬の点滴を受けた1人が死亡、13人が入院した問題で、谷本広道院長(57)が11日会見し、30代の女性看護師が点滴を作り置きしていたことを明らかにした。14人の症状との因果関係は不明だが、院内の医療事故防止マニュアルで作り置きは禁止されていた。 また、2年前にも点滴で気分が悪くなって上野総合市民病院に搬送された例が2件あったが、保健所などには届けなかったことも明らかにした。 谷本整形は医師は谷本院長1人で、看護師は8人。作り置きしていた看護師は10日夜、谷本院長に自主申告した。この看護師は1年半ほど前から勤め始めたという。作り置きの理由や期間は不明で、「ほかの看護師7人が関係していたかどうかも分からない」という。 9日に発覚するまで5月23日から計6人が入院していたにもかかわらず、点滴を中止しなかったことを問われると、谷本院長は「狭心症や糖尿病などがあり、点滴が原因とは思わなかった」と釈明した。 14人は、投与の1、2時間後に腹痛や発熱、嘔吐(おうと)、ふるえなどを発症。10日夜に会見した上野総合市民病院の村山卓院長によると、いずれの患者も白血球が正常値以下に低下。「鎮痛薬の濃度や量で起きる症状ではない。重篤な感染症が起こったと考えるのが妥当」とし、「通常の病気は白血球が上がるケースが多く、今回は点滴の中に白血球を下げる何らかの物質が交じっていたのではないか」と述べた。 県警は11日、谷本院長らから引き続き事情を聴いており、同日、亡くなった伊賀市の市川満智子さん(73)を司法解剖。死因や点滴との因果関係を調べる一方、医院から提出された資料の解析を進める。 県は同日午後1時から、谷本整形を立ち入り調査する予定。県と谷本整形は、14人以外に過去に同じ点滴を受けた延べ数百人の患者を割り出し、問題の発生を周知する。 伊賀市は10日深夜、今岡睦之市長を本部長とする市内医療機関発生事案対策本部を設置。谷本整形で点滴を受けて同じ症状を訴えた患者がほかにいないか情報収集を始めた。不安がある人は伊賀保健所か市へ問い合わせるよう呼び掛けている。 ◆戸惑う通院患者 三重県伊賀市の谷本整形には、11日午前中から通院患者が駆けつけるなど、不安や戸惑いが広がった。 診療所は玄関前で警察官が警備に当たり、扉を閉めたまま。玄関には「院長は学会出席のため下記日(20日、21日)を代診とさせていただきます」との張り紙が張られた。 紹介状をもらいに来たという奈良県の男性は9日に点滴を受け、帰る途中、手足のしびれや腹痛の症状があったという。診療所に入れず「仕方がない。再開したらまた診察を受けたい」と話した。 10年の通院歴がある女性(75)は「点滴に使った針はすぐ捨てていたし、多くの患者が受けていた」と戸惑った表情。伊賀保健所にも点滴を受けた患者から数件、「大丈夫か」などと問い合わせがあったという。 (中日新聞)
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