加藤容疑者、４月に殺人予告「歩行者天国にトラックで突っ込みたい」…秋葉原無差別殺傷事件

　７人が死亡し、１０人が負傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件の加藤智大容疑者（２５）が、今年４月２０日付の携帯サイトの掲示板に「繁華街の歩行者天国にトラックで突っ込みたい」と書き込んでいたとみられることが１０日、分かった。ほかにも殺人への衝動を示す多くの書き込みがあり、警視庁万世橋署捜査本部は動機の解明につながるとみて、調べている。警視庁はこの日午前、加藤容疑者を殺人未遂容疑で東京地検に送検した。

　８日の犯行寸前まで携帯電話サイトの掲示板で、実況書き込みを続けていた加藤容疑者は、４月２０日の時点で「歩行者天国にトラック」というキーワードを発信していた。同日付の書き込みでは「欲望に素直になっていいのでしたら、繁華街の歩行者天国にトラックで突っ込みたいです」と書いている。直後に「そんなことしませんけれどね」とフォローしているが、４月１４日には「誰でもいいから殺したい気分です」とある。

　さらに３月１７日には「仲良くてをつないであるいている男女を何組か見かけました　以前の私ならトラックでひき殺したい衝動にかられていましたけど、今はそんなことはありません」と書き込んでおり、かなり前から「トラック」を凶器にした殺人願望があったことをうかがわせる。「本当は銃が欲しいのですけれど、私には許可が下りないのは間違いありませんもの」（４月６日）との記述もあった。

　危険な発想と並行して、自分の容姿や恋愛に縁がないことへのコンプレックスがつづられている。

　「恋愛を楽しめるのは２５歳までだと聞いた事がありますけど、もうとっくに過ぎてしまいました　もっとも、不細工には恋愛する権利がそんざいしませんけど」（４月２５日）

　「負け組は生まれながらにして負け組なのです」（２月２７日）

　「このまま死んでしまえば幸せなのに　そう思うことが多々あります」（３月２日）

　落ち込んで自殺をほのめかしたかと思えば「私より幸せな人をすべて殺せば、私も幸せになれますか？　なれますよね？」（４月２４日）と、自分を追い詰めるのではなく、刃（やいば）を他人に向ける発想に転換している。捜査本部では、これらの書き込みを分析し、動機の解明を急いでいる。

　◆加藤容疑者が書き込んだとみられる携帯サイトの掲示板の主な内容（表記は原文のまま）
▼３月６日　書き込みしてもヒット数が自分の分しか増えないのは正直さみしいものがありますね
▼４月１２日　アトピーでしょうか　イケメンなら、「私が薬塗ってあげるよ」、となるのでしょう　不細工な私には、キモい、汚いという罵声（ばせい）しか聞こえてきません
▼同１５日　ネットから卒業すれば幸せになれるという人が居ます　私の唯一の居場所を捨てれば幸せになれるのでしょうか　すなわち、死ね、ということなのでしょう
▼同１６日　誹謗（ひぼう）中傷されるということは、存在だけは認められているということですから　無視されている不細工な私は、その存在すら認められていません
▼５月１０日　携帯ばかりいじっていてはダメということらしいですけれど、現実では誰にも相手にされませんもの　ネットならかろうじて、奇跡的に話してくれる方がいます
▼同２８日　そういえば、携帯の請求書がまだ来ません　勝手に止められたら発狂します