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あの頃の僕らは胸を痛めてブギーポップなんて読んでた

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2008-06-10 小学館だけではなかった

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例の小学館の話なんですけどね。

最初はいたく作者側に同情したんですが、よく考えたら作者側の一方的な言い分しかないなー、なんて思いなおしてました。

でも、下記の記事見て考えが変わりました。

http://d.hatena.ne.jp/m_tamasaka/20080610/1213079977

雷句誠の今日このごろ。:(株)小学館を提訴。

(1)本来、漫画家と、編集者(出版社)は、対等の付き合い、フィフティーフィフティーの関係でした。全没(始めから全てやり直し)が出たら、編集さんは深夜でも自宅のFAXで直しのネームを受け取り、すぐにチェックをし、原稿に取りかかれるようにする。そして直しを出すにしても、その先に漫画が面白くなるような展開を話し合う、漫画家を納得させて、漫画家も面白くするために努力する。もちろんお互いを仕事相手としても見ています。


ここを読んで妙な引っかかりを感じました。そのときには何が引っかかったのかわからなかったのですが、後に奇Ring・エッセンスさんの「とりあえずプレゼン用」というエントリを見て違和感の正体に気付きました。私は「対等」という言葉に引っかかっていたのです

(中略)

奇Ring・エッセンスさんのエントリは、マンガ家と編集者の信頼関係を、「良い編集者モデル」「悪い編集者モデル」という2枚の絵で表現しています。この絵の矢印を逆転させてみましょう。「良いマンガ家モデル」というものを考えた場合、編集者の信頼は作家がおもしろくて売れる作品を作り、かつ締め切りを守ることによって生まれます。しかしそのようなことはめったに起こりません。どうしても「悪いマンガ家モデル」、つまり締め切りを破ったり(これが一番多い)、売れなさそうなものを描いてきたり、言うことを聞かなかったりといった方に寄りがちになります。



だいたいマンガ家が期日までに売れる作品を上げてくれるなら、編集者は必要ないのです。元をただせば、締め切りを守れなかったり、放っておくと売れなさそうなものばかり描いたりするマンガ家が多かったから、彼らを監督するために派遣される人々が生まれ、それがそのうちに「マンガ編集者」という名前で定着したのではないでしょうか。

絶句した。

 

えーとね。

雷句先生の陳述書にはこうあるわけですよ。


http://88552772.at.webry.info/200806/article_2.html

1)「あまりにも編集者、出版社と言う物が漫画家を馬鹿にし始めた。」

つまり、雷句先生いう「対等」って端的に言うなら

編集者漫画家を馬鹿にするな!」

ってことですよ。

もっと言うなら

だいたいマンガ家が期日までに売れる作品を上げてくれるなら、編集者は必要ないのです。元をただせば、締め切りを守れなかったり、放っておくと売れなさそうなものばかり描いたりするマンガ家が多かったから

ってみたいに

職責を放棄した挙句、漫画家を馬鹿にするのもいい加減にしろ!!

って怒っているわけですよ。

雷句先生がずばり書いているじゃないですか。

もう、これ以上漫画家編集者に馬鹿にされてはいけない。まともに仕事相手としてみなければいけない。

  漫画雑誌では当たり前だが、漫画家がいなければ造れない雑誌である。普段漫画家を見下して馬鹿にしている編集者も、絵は描けなくても漫画原作者として一人立ちし、漫画雑誌を支えろ!と言われたら、誰一人として漫画原作者になる人はいないだろう。大ヒットを飛ばせれる自信はないだろう。それだけ漫画というものは難しいものと編集者はわかっているはずなのだ。それなのに何故、ここまで仕事相手としての対応をしないのか?

今、小学館の漫画編集者で、担当している漫画の資料(写真や文献)を自らの足を使って集め、漫画家に協力している編集者はどれだけいるだろう?寝ないで自分の担当する漫画のアイデアを考える編集者はどれくらいいるだろう?

  最初の担当の畭俊之氏は、一番働き、アイデアも出したが、担当期間の中盤からは、自らネタを出す事はしていない。あくまで自分の出すネタ、アイデアの選別と、それに関するアドバイスのみ。写真などの作画資料も村上正直氏が本当に担当が変わる最後に、本を1冊探してくれたのみ。引き延ばしを命じられた高島雅氏も「ネタは晩酌しながら出してる。」である。

  しかし、これでも上記の編集者は「働いている方」だと小学館内部の方に聞いた。畭俊之氏は言う

 「漫画編集なんて楽だよ、漫画なんて漫画家に描かせればいんだから。」

まあ、だから結論から言うと、雷句先生の言っていることは漫画業界ではごく普通のことってことですよね。これだけ編集者に批判の目が向けられているときに、自らの職業を編集だと名乗っているブログ

「対等」という言葉に引っかかっている

なんて広言できちゃうわけですから。

 

 

 

世の中にはいろんな業界があり、立場があります。

いつも相手と対等の立場であるとは限らないし、実際はどうあれ、交渉相手を対等と思ってないこともあるでしょう。

しかし、内心でどう思っていても、本人の目の前で「俺はお前を対等だとは思ってない」という気持ちを行動で表したりすることはまれですし、ましてやブログで全世界に向けて「俺は仕事相手を対等とみなしていない」と発信する業界はそうそうありません。

だから、「編集者漫画家を対等にみていない。馬鹿にしてもよい」というのは、小学館だけのことではなく、漫画業界の一種の『常識』であり、隠すべきことでも恥ずべきことでもなんでもないということではないでしょうか。

 

 

……って書きましたけど、編集者にもいろいろいるので、こんな人ばかりではないと思います。カウンターとして『私は編集さんにこんなによくしてもらった!』っていう記事がウェブに満ち溢れればいいな、と思っています。

 

 

 

この記事書いてたら鼻血でちゃったよ。どんだけ興奮してんだ。

m_tamasakam_tamasaka 2008/06/10 22:24 私が書いたエントリのタイトルは「マンガ家はなぜ“出版社”と対等になれないのか」です。“編集者”ではありません。出版社はそのシステムからして作家を対等とは見ていないのではないかという話であって、編集者が作家とどう付き合うかは別問題です。誤解を招く書き方をしたようで申し訳ありません。

tokoroten999tokoroten999 2008/06/10 22:48 コメントどうもです。
エントリでも書きましたが、おそらく『対等』の意味を取り違えているのでは、少なくとも雷句先生のいう『対等』とは違う意味なのではないかと思います。雷句先生の言う『対等』とは「待遇や発言力を同等にしろ」と言っているわけではなく、「まともに仕事相手として扱え!」ということです。その意味では別に編集者も出版社も変わらないかと思います。「出版社はそのシステムからして作家を対等とは見ていない」という場合の対等は発言力とか影響力のことであって、今回の雷句先生が言っている『対等』とは違うのではないでしょうか。
売れる漫画を描けるとか締め切りを守るという漫画家の質と、「対等=まともに仕事相手として扱う」というのは全くの別問題ですし。(雷句先生は売れる漫画を描いてますし、締め切りも守っていたと思いますが、対等に扱われていない(本人談ですが)わけですから)

tokoroten999tokoroten999 2008/06/10 23:28 追記です。
もし「出版社はそのシステムからして作家を対等とは見ていない」の「対等」は、「雷句先生のいう『対等』」であり、「出版社はそのシステムからして作家を対等とは見ていない=出版社はそのシステムからして作家をまともに仕事相手として扱っていない、漫画家にガンをつけたり死ねだのウジ虫だのは日常的に言うものだよ、そういうものなのだよ」という主張であれば、上のコメントは私の誤読ですので撤回します。申し訳ありません。

もんちゃんもんちゃん 2008/06/10 23:50 ”出版社”という言葉がほとんどなく、”編集”という言葉をこれだけ多用して、そういう言い訳はおかしいのではないでしょうか。

tamasakaファンtamasakaファン 2008/06/11 10:06 はじめまして、気になったのでコメントさせてもらいます。前提が食い違ってますね。
tamasakaさんの職場においては上記のケースが存在し、対等なんてのは締め切り守ってから言えよ(例なわけですよ。こちらのHPの方の脳内ではそんな漫画家はいないんですね。漫画家は頑張ってるのに編集は文句言うなって事ですよね?漫画描いただけで本屋に並ぶとでも思ってるんですか。tamasakaさんの言う事が本当だとしてそこでは編集が頑張ってるわけですよ。対等にはなれませんよね?約束や期日を守れない仕事相手と。まともな会社ならほとんど路頭に迷うんじゃないですか。過去多くのそういった仕事相手を見ての意見に素人が物言いをつけるとか、どういった根拠がお有りで。

こちらの上記コメントでのtamasakaさんの「どう付き合うか」が対等に位置する意味でそういった事に対してtamasakaさんは一切語っていない。システムとして難しい状態を指しているのに何に突っ込んでるんですかここは。雷句先生の件を受けてこれこれこのような事もあるって言ってるだけですよtakamasaさんのHPは。システムのここそこに問題があるのかもって言ってるんですよ。原因はこういった所にあるのではって感じで。雷句先生個人に宛てて言っているのでは有りませんよ。

3回は文章を読み返して相手の文意を読み取れるようになりましょうね。

追記です。締め切りを了解していて破るようなやつはウジ虫以下です。あなたの所ではまともな扱いを受けますか?まあ漫画家の世界なんてかけらも知らないので、的外れかも知れませんけど。

漫画家が悪い編集が悪いでは一歩も進まないので、tamasakaさんのように問題点を指摘し改善策を模索してくれる記事があふれればいいな、と思っています。