任せるなら、ミスして怒るな
「すいませーん、レポート提出したいんですけど」
フラスコの部屋は講師が数人同居する大所帯。
こんな風に声をかけられても、誰に話しているのかわかりません。
「出せばー?」
投げやりな返事をしたのは、体育の先生。
すばらしく、無責任です。
「R先生のレポートなんですけど…」
けど…で終わる話し方は、学生の得意技です。
毎回、毎回、だからどうした?と言いたくなります。
続く内容として予測できるのは、
本命「遅れたけど、どうすればいいか?」
対抗「わからないけれど、どうすればいいか?」
単穴「提出したいけれど、どうすればいいか?」
ってなところ。
英語のR先生は、本日非常勤で不在と教室の入り口に掲示されています。
レポート入れも用意されていませんので、提出方法なんかも不明です。
ということで、どれがきても対応できません。
しかし今回は単穴の同枠が激走してきました。
「レポート提出したいので、預かってもらえませんか?」
なんですとー。
「R先生に渡してほしいってこと?」
フラスコ、とりあえず確認してみます。
「はい、お願いします。」
いや、しかしね。
すると、体育の先生が勢いよくこたえました。
「いいけど、忘れてもいい?」
「え?」
学生もキョトンとしましたが、フラスコもびっくり。
いきなり何を言い出すのかしら?
「俺が預かってもいいけど、明日は非常勤だからR先生に会わないんだ。明後日以降になったら、忘れちゃうかもしれないけどいい?」
「いえ、それは…」
困りますぐらい、省略しないで話そうぜ。
「そうか、じゃ、失敗されて困るようなことは、任せちゃだめだよ。信じるってのは、成功も失敗も含めて信じるだからね」
お、体育の先生、いいこと言った。
学生は、大事なことを学んで帰っていったようです。
実際、他人に任せたと言いつつ、成功以外許さない人たちがいます。
成功しない人間に仕事をふったという責任をとらずに、怒鳴り散らす方々がいます。
おそらく、一般企業にもたくさんいらっしゃるでしょうが、大学にもそんな人がいらっしゃるわけです。
だったら、最初から自分でやれよ、と思ったりします。
うまく仕事をふりわける、という能力と、その結果を受け止めるという度量が、上役には必要なんじゃないかと考えさせられる一言でした。
もっと拡張すれば、育児にもつながる心構えなのかもしれませんね。
で、そんなことを体育の先生に伝えてみると、
「フラスコさん、いろいろよく考えるねーw 俺は自分がフィールダー(サッカー選手のことこう言うの?)だったとき、シュート外してむかつく相手にはパスしなかっただけなんだけどさぁw」
との、お返事。
なるほどねぇw
←失敗を受け止める勇気
Posted by yahata127 at 22:27
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ひねくれた性格の先生ですね。
生徒からみれば、同室にいる講師同士のつながりで目的の講師に伝言等で預けることができるはずです。
また、生徒は講師の部屋ということで、好き勝手に置いといたりすることも遠慮してはばかるもの。
確かにおっしゃることはもっともですが、講師と生徒という立場上、生徒のほうが弱いものです。
レポートを受け取り、仮に受け渡すのを忘れ、問題になったとしても、その生徒をかばうような人が講師でいてほしいものです。
大学というところは研究機関でありながら教育機関である施設です。
もし、研究が目的で講師をしているのであれば、是非、職を辞すべきですね。
大学教員というのは、まず教育者であり、かつ研究者である人がなるべきだと思います。
甘い顔して受け取るのと厳しい社会のしきたりを気づかせるのと、どちらが真の教育かということでしょうね。
最近では、平等の観点から「うるさく」言われます。
この場合、レポート提出期限が過ぎて「レポートボックスがない」と
いうことであれば、「受け取らない」のが平等という言う意味では正しい
と思います。他にもレポートを提出しようとした人で提出できなかった
人がいたら不公平となります。
最近では、平等の観点から「うるさく」言われます。
この場合、レポート提出期限が過ぎて「レポートボックスがない」と
いうことであれば、「受け取らない」のが平等という言う意味では正しい
と思います。他にもレポートを提出しようとした人で提出できなかった
人がいたら不公平となります。
文中の学生の要を得ない話し方はもちろん問題があると思いますが、体育の先生の学生に対する応答もいかがなものかと。簡潔に「私に預けても、R先生に提出されるわけではない or 提出に対して責任を持てない」とだけ言えば良いと思うのですが。
学生は身近な大人が職場で 「出せばー?」 「いいけど、忘れてもいい?」 と話しているのを見て社会人の話し方を学んでいってしまうのだと思いますが。
私はこの体育の先生、好きですけど。「忘れてもいい?」の対応は学生を大人として扱っているから出た言葉でしょう。小学生にはこんな反応しないでしょうから
ちなみに、正しい提出先は教務課で、期限は過ぎていたそうです。
丁寧にコメントしている時間がありませんので、とりいそぎ。
面白く読ませていただきました。
結局は期限に出せばよかったのでしょうね。
個人的には・・
高等教育を受けている身(学生)に期待をするのは、
既に考える力を持っており、そこに知識が伴っていてほしいということです。
社会に出ればもっと驚き、理不尽に感じることも多いので、この体育の先生は(意識せずして?)よい事をしたのでしょうね。
最後に持論ですが・・
この世の中が公平であるという前提は間違っています。
全ては不公平の上に成り立っていると思いますよ。
ちなみに、そう考えれば心は広くなります(^^)。