県は10日、大分大学医学部が2009年度から募集する特別選抜地域枠の学生5人に対し、授業料など修学資金を貸与する制度を始めると発表した。学生は卒業後の9年間、知事が指定する県内の病院で研修・勤務すれば、資金返還が全額免除される。県出身の医師が都市部に流出するのを防ぎ、医師不足の解消を図るのが狙い。
県は17日開会の6月定例議会に県医師修学資金貸与条例改正案を提出。09年度の一般会計当初予算案に貸与額約700万円を計上する。
特別選抜地域枠は、県内の小中学校を卒業し、大学卒業から9年間は指定病院での勤務が条件。大学入学から卒業まで6年間、月額5万円の生活費や授業料(年間約53万円)が貸し出される。入学金(約28万円)も貸与対象になる。
大学卒業から5年間は指導医がいる病院で研修を受け、その後は医師不足の病院などに勤務する。
県は07年度から医学部以外の大学卒業生が大分大医学部に学士編入した場合に月額15万円の生活費や授業料などを貸与する制度を実施。卒業後の7年間、知事指定の病院に研修・勤務すると資金返還が免除される。07年度は定員3人に約20人の応募があった。
県医務課は「学士編入では予想以上の応募があった。新たな貸与制度でも、医師として出身地で働くことを目指す入学希望者が集まることを期待したい」としている。
=2008/06/11付 西日本新聞朝刊=