「マルチ商法」の勧誘を拒否する方法

洗脳されないための5カ条

三田 典玄(2007-03-16 08:20)
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 この選挙の時期になると、特にうるさいのが選挙演説のクルマである。これはMP3プレーヤーと完全密閉の耳栓型のヘッドホンで対処しているが、さらにうるさいのが、「XX党に入れてください」という選挙の、勧誘の家庭訪問とか親族の一部からの電話などである。これも、「はいはい、入れますよ」と言っておけば以降は来ないので、面従腹背で対処している。そういうことを言ってきたところには票は入れなければよい。

 昨晩、私の友人(女性)から、「日本アムウェイという会社の勧誘を受けて困っている」という電話をもらった。夜、仕事が引けてからその勧誘のための話し合いがあるという。自分はそんなものには入りたくないのでついてきてほしい、という要請があったので行って来た。

 私は高校生以来、新興宗教の度重なる勧誘や、自己啓発セミナーのさまざまな勧誘を受けて、どれにも動じることがなかった。私はちょっと見るとコワモテではなく、やわらかそうに見えるので、そういう人たちはよく私に声をかけてくる。

 また、ある時期にはこの方面の心理学の勉強を、とある先生について勉強する機会もあったので、理論、実践ともに備えての「参戦」をしてきた。

絶対に相手のペースに乗らないことが重要だ(写真はイメージ)
 待ち合わせは、東京・渋谷駅のモヤイ像の前。夜8時。さて、こういうとき、「攻める側」である勧誘する側は、「多勢に無勢」「閉鎖した環境」という戦略を使う。そのためにこういうところに1人で向かうのは大変に危険だ。また、ことばの迫力で押してくる。だから、のっけから相手のペースにはまらないことが重要だ。つまり、相手の話に合わせたり、相手の懐に飛び込むことは絶対にしてはいけない。相手の誘う場所に行く、などは論外である。

 私は約束の時間の30分以上前にモヤイ像の前に着き、勧誘する側が来るのを待っていた。現場で、どのくらい勧誘の人間が来るのかを調べたのだ。ここで多人数が来るのであれば、勧誘された側の友人にはここには来ないように言うつもりだった。が、実際には来たのは1人だけだった。

 やがて友人が来た。そこで、まずは最初の一撃をくらわせる必要がある。相手が誘うところには絶対に行かない。そこで、こちらがあらかじめ調べて指定した、喫茶店などの周りの人がとても多い場所に強引に相手を誘う。特に、ナベカマとか洗剤など家庭用品を扱うアムウェイの場合、アムウェイ会員の家庭に勧誘者を誘い、そこで実際にこれらの製品を使って見せて勧誘する、という方法が一般的だ。このため、まずはそういう場所には絶対に行かないことが重要である。

 そして、その場所には「ああいう芸能人と関係がある」「こんな政治家を知っている」などの権威をまとった「どこかエラそうな人」が登場し、その人を中心にその場の話が始まり、「あなたもこの仲間に入りなさいよ」と、勧誘される側を巻き込んでいくという方法がとられる。だから、「その場に行かないこと」が、こういう勧誘を断るのに、特に重要な点だ。逆に言えば、「権威なんてなんでもない」と思う人は勧誘できない、ということでもある。

 そこで、私は、まず「じゃあ、そこの喫茶店で話しましょう!」と大声で言い、スタスタその方向に歩いていく。勧誘しようとした方は、まずここで出ばなをくじかれる。ここで勧誘する側がついてこなければ、それで終わりにする。

 しかし、今回はついてきたので、そのまま喫茶店に入る。喫茶店はあらかじめ下見をした地下の店を選び、携帯電話が通じないところを選ぶ。そうすると、「多勢」で勧誘しようとした側の連絡網が途切れ、連絡の効率が悪くなるから、連携プレーがとりにくくなるのだ。

 今回は実際、勧誘する側が1人ではどうしようもないと思ったのか、仲間に電話連絡するために喫茶店の外に出た。これで勧誘されかかっている友人と私の2人だけになる時間が持てた。そこで、私はこれから始まること、さっきやったことを説明する時間ができた。これも、こちらのシナリオのうちだ。

 そして、勧誘の話が始まったら、相手の話はほとんど聞かず、こちらの話だけでまくしたてる。相手を驚かせるような会話はいくつも用意しておく。つけ入るすきはいっさい与えない。

 しばらくすると、もう1人の“勧誘要員”が喫茶店にやって来た。勧誘員は2人とも女性、友人も女性なので、男は私1人だ。新しくやって来た勧誘員はロック大好きの30代後半。そこで、ロックの話で明るく盛り上がる。

 そうこうしているうちに、時間がたつ。電話は外部と通じない。

 で、お開きである。

 MLM(マルチ・レベル・マーケティング)では、そのお金の流れを中心的に握るのは、商品ではなく「人」のヒエラルキー(上下関係)の無限連鎖である。商品はその連鎖を支えるための「神器」のような役割(信仰の中心物)を果たすと同時に、「お金の流れは商品で生じるものである」という言い訳に使われているに過ぎない。人のつながりを作ってお金を下から吸い上げることが目的であるため、こういった「勧誘の場」が実は大変に大きな意味を持つ。

 そのため、こういった勧誘を断るためには、そういう「場」には、どんな「エラそうな人」を目の前にチラつかせられても、まず絶対に行かないことが重要だ。また、ネットを調べれば各種のMLMの問題情報がたくさん詳細に出ているので、事前に調べてから行くのにも時間はかからない。勧誘をされそうだったら、まずは調べてから行くことをお勧めする。また、そういう場には絶対に1人では行かないことだ。

 そして、行ったときは相手のペースには絶対に乗らず、相手の連れて行こうとする場所には絶対に行かないこと。アムウエィに限らず、これらのMLMは増えているが、どれも似たようなやりかたで対処できる。

 その友人とは、あとでちゃんこ鍋をつつきながら、彼らのやり方などをサカナに、1杯やった。心理学的な分析と対応の方法など、いろいろと話をした。

 MLMや宗教の勧誘。これに対処する方法をまとめると以下になる。

(1) 相手の用意した場所には絶対に行かない。
(2) 必ず「多勢に無勢」という陣形をとってくるので、味方を多く連れていく。こういうとき、「理系の男」は、かなりたよりになる。
(3) 必ず「エラそうな人」が出てくるので、「なんで、お金持ってエラそうな人がこんなことしてるんですかね?」などとツッコミを用意しておき、その「権威」を無力化する話題を盛り上げる。
(4) その勧誘している団体や会社について、事前にネットで情報収集しておく。
(5) できれば、相手がツッコミようのない自分の専門の話題でまくし立て、相手にしゃべらせない。

 この季節、こういった勧誘も増えるので、お気をつけください。

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