筋弛緩剤名誉棄損訴訟 半田教授「医療過誤あり得ない」仙台市の旧北陵クリニックで起きた筋弛緩(しかん)剤点滴事件で、クリニックの実質経営者とされる半田康延東北大大学院教授が、被告弁護団長の阿部泰雄氏から「事件をでっち上げた黒幕」などと中傷されたと、慰謝料1000万円の支払いなどを求めた訴訟の口頭弁論が10日、仙台地裁であり、半田氏の尋問が行われた。半田氏は「中傷でクリニックは廃院を余儀なくされ、大学でも冷遇された。(クリニック副院長だった)妻も精神的に大きく傷ついた」と強調。クリニックで続出した患者の容体急変は「投薬や治療の誤りなどでは症状の説明が付かず、医療過誤はあり得ないと思った」と、事件性を疑った経緯を説明した。 医学的に死亡原因が不明な「異状死」は、医師法で警察への届け出義務があるが、容体急変後の死亡例を届け出なかった理由については「当時は異状死と分からなかった」と述べた。 訴えによると、半田氏は、阿部氏が2001年7月に出版したクリニック元職員の准看護師守大助受刑者(37)=無期懲役=との共著などで、「クリニックで起きた医療過誤から世間の目をそらすため、守受刑者を犯人に作り上げた」などと中傷したと主張。阿部氏側は、正当な弁護活動だと反論している。
2008年06月11日水曜日
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