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【社会】

「まさかあの病院で」 伊賀の点滴 驚く住民ら

2008年6月11日 06時54分

 治療を受けた患者が死亡した谷本整形から押収物を運び出す捜査員ら=10日午後11時8分、三重県伊賀市で

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 三重県伊賀市の整形外科診療所「谷本整形」で鎮痛薬の点滴を受けた14人のうち1人が死亡、13人が入院した。思わぬ事態に遺族は戸惑い、地域住民には驚きが広がった。

 亡くなった伊賀市島ケ原、市川満智子さん(73)は10日午後1時半ごろ、夫の篤さん(77)が外出先から帰宅してベッドの上であおむけで亡くなっているのを発見した。近くの医師が駆けつけ、午後4時40分ごろに110番した。同署の検視では外見の異常はなかったという。家族の女性は「何も分かりません」と言葉少なに語った。

 近所の女性(87)は8日に市川さんと道ばたで立ち話をしたばかり。「料理を持ってきてくれる優しい穏やかな人だった」と振り返った。市川さんは1、2年前に玄関先で転んで腰を痛め通院。初めは別の病院だったが、谷本整形に通うようになったという。

 「信じられへん」。谷本整形の近くに住む男性(56)は驚いた表情。地元の評判も良かったといい「いつも込んでいて、整形外科では地元でもトップに入る」。別の男性(47)は「患者は大勢いたので、悪い評判はなかったのではないか」と話した。

 谷本整形には、伊賀署や県警本部の捜査員らが出入りし、職員らから事情を聴くなど慌ただしい雰囲気だった。住民からは「人気のある先生だった」との声が聞かれた半面、近くの女性(28)は「昨年10月、85歳の祖父が『歩きにくい』と言って診察を受け、点滴を受けると『寒けがする』と言って震えだし、数日後に亡くなった」という。「祖父は意識もはっきりして元気だった。点滴などに何か原因があったのでは」といぶかしがった。

(中日新聞)

 

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