ネットで組織票 多田野、5位に複雑

試合前、リラックスした表情でストレッチする多田野
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 「マツダオールスターゲーム」(7月31日・京セラドーム、8月1日・横浜)のファン投票の第1回中間発表が9日に行われ、大学・社会人ドラフト1巡目ルーキーの多田野数人投手(28)が先発投手部門で5位にランキングされた。

 1月の自主トレ中に左手首を骨折、開幕2軍スタートとなったことで、球団がNPBに提出したマークシート投票用紙にノミネートされていなかった多田野だが、5658票を獲得する大健闘。元メジャーリーガーの“逆輸入腕”、さらに日本プロ初登板初先発となった5月2日の楽天戦で7回1安打の衝撃デビューを飾るなど話題性からすれば、決して不思議な得票数ではない。ただ、この背景には一部の“ネット投票推進運動”がある。投票開始前から2ちゃんねるで「多田野数人をオールスターファン投票で1位にしよう!」というスレッドが立ち上げられていた。過去にも、中日にFA移籍後に右肩の故障で1試合も登板していなかった川崎憲次郎が03年のファン投票で1位に選ばれた経緯がある。これは高額年俸に見合う働きをしない同投手を球宴で“さらし者”にしようというネット上での悪意ある組織票だった。また昨年も同様に成績不振の楽天の選手が大量選出されたことで物議を醸したが、多田野にとっても“物珍しさ”だけで投票されるのは本意ではない。それだけに「これから成績を残していかないと、また2軍に落ちてしまうこともあるので」と冷静に言葉を選んでいた。

[ 2008年06月10日 ]

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