新タワー名称　『東京スカイツリー』に

　世界トップ級の六百十メートルの高さで、東京都墨田区内に建設される新タワーの名称が十日、「東京スカイツリー」に決まった。タワー周辺の開発を行う東武鉄道（墨田区）が発表した。一般からの投票総数十一万四百十九票のうち、最多の三万二千六百九十九票を獲得して選ばれた。

　名称案は昨秋公募し、応募があった約一万八千件から有識者らの名称検討委員会が▽東京ＥＤＯタワー▽みらいタワー▽ゆめみやぐら▽ライジングイーストタワー▽ライジングタワー−を含む六候補を選出。ネットやはがきで五月下旬まで投票を受け付けた。次点は東京ＥＤＯタワー。

　また、同社はタワーの事業会社名を「東武タワースカイツリー」に同日から変更するとも発表した。会見で東武鉄道はスカイツリーについて「空に向かって伸びる木（ツリー）に人々が集い、心を寄せ合うシンボル」と説明。名称検討委の一人で作詞家の阿木燿子さんは「とても良いネーミング。親しみやすく、覚えやすい」と歓迎した。

■新タワー名称　意見さまざま　『親しまれて』

　「インパクトに欠けるかも？」「ぜひ親しまれてほしい」−。墨田区で来月着工する新タワーは１０日、「東京スカイツリー」と命名された。地元や東京に訪れた観光客らの受け止めもさまざまだ。

　地元墨田区の喜代田秀敏さん（５８）は「スカイツリーですか。一瞬、タワーと結び付かない気がするけど…。でも決まってよかった。墨田区の名とともに広く知られてほしい」と期待を込めた。

　タワーが建てば自宅からも見えるはずという同区の近藤久美さん（３０）は、名称候補の投票にも参加。別の名前に投票したが「外国からのお客さんも増えるだろうし、親しまれてほしい」と話した。

　近くの浅草・浅草寺を観光で訪れたカナダ人のカーラ・タイソーさん（５２）は、完成予想図を見ながら「とても印象的なタワー」と褒めたが「ツリー（木）という名前とはちょっとイメージが違うかも」と首をすくめた。

　一方、港区の東京タワーに遊びに来ていた宮城県気仙沼市の栗原静子さん（６０）は「せっかく下町の粋な地域にできるのだから、横文字じゃない方が良かったかも…」と辛口の評価。それでも「タワーだけでなく、周辺も歩いて楽しい街になれば行ってみたい」と話した。　（小林由比）

（東京新聞）