ナイフ構え体当たり  秋葉原の無差別殺傷事件

　東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、殺人未遂の現行犯で逮捕された派遣社員加藤智大容疑者（２５）が、凶器のダガーナイフを構え被害者に体当たりしながら次々と刺したことが１１日、警視庁万世橋署捜査本部の調べで分かった。被害者の傷の状況や目撃者の証言などから総合的に判断したもので、捜査本部は殺意は明確とみている。

　調べでは、加藤容疑者はインターネットでミリタリーショップを調べ、犯行２日前に静岡県裾野市の自宅から福井市まで行き、ナイフ６本を購入した。

　凶器として使ったダガーナイフは、その中でも両刃で全長が約２３センチあり、切りつけるよりも刺したり投げ付けたりするのに適したタイプだった。狩猟で獲物にとどめを刺す際に使われ、殺傷力が高い。

　加藤容疑者は被害者に切りつけることはなく、現場の警察官らを刺し続けており、犠牲者のうち４人は一突きで殺害していた。

　犯行時には靴下の部分にさらに１本のナイフを隠し持ち、上着の内ポケットにも折り畳みナイフを所持。靴下部分のナイフは現場に落としていたが、こうしたナイフの使用を考えていた可能性もある。