やはり「高速水着」であった。英スピード社のレーザー・レーサー(LR)のことである。先日の競泳ジャパン・オープンで日本新が次々飛び出した。北島康介選手の世界新を含め17の日本新のうち16がLRを着ての記録だ この結果が水着論争に終止符を打ったようで、日本水泳連盟はLRを含め契約外の水着着用を正式に認めた。五輪本番まで2カ月を切ってやっと前線に“武器”が届いた格好だ。メーカーとの個人契約の問題はあるが、メーカー側の男気に期待したい 古代五輪の格闘技などの選手は全裸で戦ったという。これを現代でもというのは乱暴な話だが、同じ条件で競うというスポーツの原点を示している。日水連の決定で日本も世界基準に立ったことになる 水着に限らずスポーツ用具に世界の企業が最新の性能を競っている。だが、記録を出すのは、それを使う選手の技術があってこそだ 先の大会で北島選手のTシャツには「泳ぐのは僕だ」と書いてあった。水着が泳ぐのではない、あくまでも選手の頑張りを見てほしいとの訴えだ。もう水着を言い訳にはできない。真っ向勝負が楽しみだ。
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