今回の事件で使われたダガーナイフは殺傷能力が高く、人を刺す武器として作られている。短時間に連続して人を殺すことができるといい、加藤容疑者は、この知識を持って凶器を選んだとみられる。「日常生活に必要なのか」と販売に疑問の声も出ている。
「一撃で殺せるナイフを選んだ時点で凶悪だ」
米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)に在籍したこともある軍事ジャーナリストで作家の柘植(つげ)久慶さん(65)はダガーナイフの特徴を指摘し、「切りかかるサバイバルナイフや包丁と違って、刃は薄く細いため力がない人でも使うことができる」と危険性を説明した。さらに「刃先に血が付着しにくく、何度使用しても殺傷能力が落ちない」という。
岐阜県内のナイフ販売店主は「収集家のためのもので、実際に使うことは想定していない。まねをして犯罪に使う人が出ると心配」と警戒する。
ゲームでも武器として登場し、若者にも人気がある。96年12月には千葉県松戸市の中学でダガーナイフが使われ生徒が重傷を負う事件があった。その後、18歳未満の販売規制が栃木県や岐阜県などに広がったが、18歳以上であれば、ほとんどの人が購入できる。