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佐賀城公園お堀のハス全滅、“主犯格”はカメと確認佐賀市の佐賀城公園のお堀に茂っていたハスが全滅した問題で、佐賀大農学部の有馬進教授(作物学)は、堀に生息している北米原産のミシシッピアカミミガメがハスの茎を食べることを実験で確認した。堀には数百匹のミシシッピアカミミガメがいるとみられ、有馬教授は「ハス消滅の“主犯格”であることは間違いない」としている。 実験は、堀で捕獲したカメを使って行った。幅1・6メートル、長さ15メートルの水槽に水を入れ、4区画に区分。プランターに植えたハスを沈め、カメを甲羅の長さ別に2〜6匹ずつ放した。 翌日、甲羅の長さが25センチ以上のカメの区画では、ハス14本中12本の茎が食いちぎられ、20〜25センチの区画では39本中12本がちぎられていた。15〜20センチと15センチ以下の2区画でも確認された。 有馬教授は予備実験で、カメが水中の茎をかみ切る瞬間のビデオ撮影にも成功した。ビデオには、根元の15センチほど上でかみ切った後、根元に向かって食べ進め、水面に浮いた葉にも食いつく様子が映っていた。 環境省希少野生動植物種保存推進委員を務める唐津市立佐志中の吉田喜美明校長によると、ミシシッピアカミミガメの産卵期は6月ごろで、ハスの新芽が出始める5月は食欲旺盛な時期。「土に潜る性質があり、鋭いツメで根茎にダメージを与えた可能性もある」と指摘する。 公園を管理する県は4月、有馬教授らの協力で「佐賀城公園お濠(ほり)のハス再生プロジェクト」を始動させた。県まちづくり推進課は「カメによる食害が確認されたのは大きな一歩。対策を急ぎたい」としている。 お堀は佐賀城の外堀で、公園の南、西、北側を囲む計11ヘクタール。昭和初期は全域にハスが茂っていたが徐々に減り、2007年にすべて消滅した。 ミシシッピアカミミガメは縁日の夜店などで「ミドリガメ」として売られる種類。雑食性で繁殖力が強く、佐賀城のお堀では02年に生息が確認された。 (2008年5月29日 読売新聞)
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