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【社会】

4人は刺され失血死 3人は、はねられ死亡

2008年6月10日 夕刊

 17人が死傷した東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、死亡した7人のうち、3人はトラックではねられ、4人がダガーナイフで刺されたことが死因だったことが10日、警視庁万世橋署捜査本部の調べで分かった。刺し傷はいずれも1カ所で、内臓に達するほど深いものが多かった。派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)=殺人未遂の現行犯で逮捕=がトラックではねた後、通行人を次々に一刺しした状況が明らかになった。

 捜査本部は目撃証言などを集め、刺した順番や場所などの特定を進める。刺された4人の死因は失血死。はねられた3人に刺し傷はなかった。加藤容疑者は同日午前、東京地検に身柄を送られた。

 捜査本部の調べで、加藤容疑者は事件の3日前、勤務先に解雇されそうになったと思いこんでいたことが判明。孤独感や疎外感を募らせていた同容疑者が、職場でも居場所を失ったと誤解したことをきっかけに犯行に至った可能性があるとみて、捜査本部は動機の解明を進める。

 派遣先の関東自動車工業東富士工場によると、加藤容疑者は5日早朝に出勤した際、自分の作業服が見つからないことに立腹し、そのまま退社した。犯行後の調べに、自らの職業を「無職」と話していたことも判明した。

 加藤容疑者は、犯行に使用したナイフを犯行2日前に購入し、前日の7日に秋葉原を訪れて、ゲームソフト数本とパソコンを売却したと供述。

 同じ内容を、携帯電話専用の掲示板に経緯を詳細に書き込んでおり、ゲームソフトは3万2000円、パソコンは5万円で売却したとみられる。捜査本部は、手にした資金を犯行に使用したトラックのレンタル料金に充てたとみている。

 

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