太田市の精神科病院で入院中の男性患者(当時67歳)に暴行し死亡させたとして傷害致死罪に問われた、同市新道町、元看護師、大渕充被告(28)の論告求刑公判が9日、前橋地裁(石山容示裁判長)であり、検察側は「看護師としての自覚を欠いた、身勝手かつ短絡的な犯行」として懲役10年を求刑した。
検察側は論告で「看護師が弱者的立場にある患者に対し一方的に暴行を加えたことは卑劣」と非難。一方、弁護側は「被告はもともと患者を傷つけることに抵抗があった。若年であり立ち直りが可能だ」と反論した。大渕被告は最終意見陳述で「本当に申し訳ないことをした。これから正しい人間になり、人を傷つけることなく生きていきたい」と述べた。
起訴状によると、大渕被告は昨年11月16日、指示に従わない男性患者に頭部をける、踏みつけるなどの暴行を加えた。患者は12月3日に脳圧迫で死亡した。【奥山はるな】
毎日新聞 2008年6月10日 地方版