暴力団山口組系旧五菱会のヤミ金融事件で違法な利息を支払わされた被害者が、利息だけではなく元本も賠償請求できるかどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は10日、ヤミ金融業者には利息と元本の全額の賠償義務がある、とする初判断を示した。そのうえで弁護士費用などを算定し直すため、審理を高松高裁に差し戻した。
同小法廷は「ヤミ金融業者は著しく高利の貸し付けという形をとって元利金名目で違法に金銭を取得したのだから、被害者の損害額から元本分を相殺することはできない」と指摘した。
原告は愛媛県に住むヤミ金融の被害者11人。元五菱会幹部、梶山進受刑者(58)=実刑確定=に過払い金や厳しい取り立てへの慰謝料など、計約3500万円の支払いを求めていた。
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