宮城労働局雇用均等室は3日、職場におけるセクハラなど性差別に関する07年度の相談件数を発表した。07年4月に改正男女雇用機会均等法が施行された影響で、相談件数は前年度比約1・5倍増の764件と大幅に増加した。
内容別では、セクハラに関するものが最多で399件(52・2%)。体に触るなど悪質な例も依然無くならないが、「(上司などの言葉について)セクハラに当たらないか」「加害者と言われたが、本当に該当するのか」など、認識に関する微妙なケースが増えているという。
また、「妊娠・出産等を理由とする不利益」についての相談は前年度比約2・1倍増の113件。「産前休暇を請求したら『産休は認めるが、契約期間の満了で雇い止めとする』と言われた」などの相談があった。これまで、同法では妊娠・出産による「解雇」を禁じていたが、法改正で、契約内容の変更や降格、減給なども禁止対象としたことが、相談増の背景にあるとみられる。
他に、妊娠中、出産後の女性の健康診断などに関する相談が120件▽募集・採用に関してが22件だった。
相談者別では、女性労働者が395件と一番多かったが、事業主からも208件あった。法改正で男性に対するセクハラも禁止対象となったのを受け、男性労働者からの相談も32件に上った。
同室は、職場での性差解消を目指す企業の自主的な取り組み「ポジティブ・アクション」についても理解を深めるよう呼び掛けている。本田紀子室長は「女性が働きやすい職場にすることは、企業にとってもメリットがある。当事者も事業主の方も、気軽に相談してほしい」と話している。相談・問い合わせは同室(電話022・299・8844)へ。【伊藤絵理子】
毎日新聞 2008年6月10日 地方版