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ワタリガニ漁:南北対峙で中国漁船は「漁夫の利」

NLLへの接近避ける北朝鮮、李政権への嫌がらせか

 今年に入って北朝鮮の警備艇が西海(黄海)の北方限界線(NLL)を4度も侵犯している中、北朝鮮軍当局が最近になって北の警備艇と漁船にNLLを侵犯しないよう内部の取り締まりを強化したことが分かった。

 政府の消息筋は9日、「北朝鮮軍当局が最近NLLの近くで操業する漁船とこれを取り締まる警備艇に対し、『NLLを侵犯してはならず、近づいてもならない』という指示を出したようだ」と語った。

 情報当局は、NLL問題が浮上した場合、韓国国内で騒がれている米国産牛肉の輸入問題に影響を与える恐れがあるため、北朝鮮政府がこうした指示を下した可能性が高いとみている。軍の消息筋は「李明博(イ・ミョンバク)政権にとって都合のいい行動はしないという北朝鮮側の政治的な計算がある」と説明している。

 また韓国軍も、ワタリガニの季節と延坪島沖海戦が行われた6月29日を間近に控え、南北間の偶発的な衝突を阻むため、漁船のNLLへの接近を徹底的に統制している。南北の漁船の接近が統制されたNLLの近海では、中国の漁船が姿を現しワタリガニ漁を行っている、と軍当局は伝えた。

今年5月25日午前、西海のNLL近くの海上で操業している2隻の中国漁船(写真前方)を北朝鮮の警備艇が監視している。

ユ・ヨンウォン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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