| 看護師99%身体拘束を経験 人権めぐり葛藤(2008/06/09) |
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青森県看護協会がまとめた「医療施設の身体拘束の現状に関する調査」によると、県内の看護師の99%が患者に対し、医療上の安全を確保するため、身体を拘束したことがある―と回答した。一方で、拘束が絶対必要との意見はほとんどなく、看護師の多くが、患者の安全と人権をめぐって葛藤(かっとう)している姿が浮き彫りとなった。 同協会は二〇〇七年十―十一月にかけ、県内の九十四病院(二十床以上)を対象に、精神科勤務を除く看護師二百八十二人に調査票を送付。七十三施設、二百十九人(有効回答二百十七人)から回答があった。 うち二百十四人は、身体拘束したことがあると回答。理由は「点滴チューブを抜く可能性がある」「転倒の恐れがある」など。具体的には▽手足をひもでベッドに縛る▽指の動きを制限するため手袋を着ける▽つなぎ服の着用―が多かった。 拘束時の心情(複数回答)は「ほかに方法があればしない」が最も多く、「安全上仕方ない」「患者に申し訳ない」などと続いた。「当然必要」の回答は五人だけだった。 病院の体制を見ると、拘束の基準を定めたマニュアルは約六割がないと回答。百床以下の病院に目立ち、看護記録も付けられていない傾向があった。 身体拘束を減らすため、同協会では看護師だけでなく、病院全体での取り組みや医療器具など環境整備が必要だと指摘している。 |
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