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報道ステーション古舘氏謝らず「政治家は一切笑うな」

2008年06月10日10時00分

　報道ステーションの古舘氏が、自民党から抗議を受けたことは記憶に新しい出来事ですが、その抗議に対して古舘氏が釈明しました。しかしその内容はひどいものです。要約すると「政治家は一切笑うな」。要約だけでは何ですから書き起こしたものを掲載します。

　このVTRの後です、え～スタジオに来て、カメラが私をとらえて、私は「よく笑っていられますね、偉い政治家の人たちは」と発言をしました。それに対して自民党から抗議が来たわけです。
　確かに今ご覧頂いた自民党の党役員連絡会の映像は、放送の前の日の模様であります。そして開会前の雑談風景であり、後期高齢者医療制度について話し合って笑っている映像ではありません。したがって自民党はそれが名誉毀損にあたると、いう風に抗議しているわけです。もし、そのように受け取られた視聴者の皆様方がいらっしゃるとすれば、それは私の本意ではありません。
　私が発言した意図というのは、今、国政全般にわたって政治家の人達が笑っていられる局面など何一つない。多くの国民を痛めつけるような、結果長きにわたる政治の無策、そして、果たして本当に血の通った政策・施策を行っているのか、さまざまな問題に対して真摯に対応しようとしているのか、その一点を申し上げたかっただけであります。
　かく言う私も、大変未熟です。この番組が始まって以来、多くの視聴者の方からお叱りの言葉を頂き、それを糧に成長させて貰ってきたと思っております。これからもそれで成長して行くんだという風に思っております。私たちメディアも、確かにさまざまな反省点があります。おおいにあります。
　しかし、この局面にあって、政治も私たちメディアも、ここは一つになってですね、国民にとってまず必要不可欠な政策、具体的なアイデア、国の方向は何なんだ、ということをですね、前向きに一緒になって考えていくべき局面ではないでしょうか。皆様方は、どうこれに関してお考えになりますか。

　さて、皆様これを読んでどう思われましたか？私はあきれかえりました。これの、どこが、釈明だ、と。

　結局古館氏は一切謝罪せず、政治家にまた責任を押しつけただけです。これでは自民党の理解は何一つ得られないでしょう。

　まず政治家は笑うなという発言が理解できません。仏頂面で仕事をしていれば仕事がはかどるというのは幻想です。マラソンも笑って走った方が速いってご存じですか？笑顔というのは力が出るんです。

　会議はまじめにやるべきです。だからといって移動時間も休憩時間もピリピリしていたら、一体どこで体を休めろと言うんでしょうか。疲れた体ではロクな仕事はできません。だいたい古舘氏だって痛ましい事件の報道のあとに「はい、次はお天気です。市川さーん」といつもにこやかに呼んでいるじゃないですか。メディアも一緒になって、というわりにはこれはアリなんでしょうか？

　後期高齢者医療制度とは全く関係のない、前日の映像を後期高齢者医療制度の特集で流し、叩いたことは事実です。この件に対して一体どう釈明するのか。それをまずは示して貰いたいところです。

　なぜ言ったのかではなく、なぜ関係のない映像を最後に挟んだのか？その釈明を、今回の釈明ではしていません。4日のニュースに3日の映像を使う、その真意を次の釈明でして欲しいところです。