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加藤容疑者「親が書いた作文で賞取った」

　秋葉原の無差別殺傷事件で８日逮捕された加藤智大容疑者（２５）は、万世橋署の調べに対し「事実はすべてお話しします」と淡々と答えているが、被害者への謝罪は一切ない。また涙を流しながら自分の生い立ちを説明しているという。

　加藤容疑者は約３カ月前、小中学校の同級生と出身の青森で会って「死にたい」「仕事を辞めたりして生活がつらい」と漏らした。小中学校時代は勉強、スポーツともに優秀で、同級生（２５）は「足が速く、女の子からも人気があった」。小学校の卒業文集では自分の性格を「短気」「ごうじょう」「強欲」「どじ」と評価。体育デーの１００メートル走やリレーで３位に入ったことなどを楽しげに振り返っている。地元中学でも成績はトップクラスで、地元の名門・青森高に進学した。

　だが、本人がつづった可能性がある携帯電話の掲示板サイトには「親が書いた作文で賞を取り、親が書いた絵で賞を取り、親に無理矢理勉強させられたから勉強は完ぺき」などとある。英文で記した中学の卒業文集の自己紹介欄には自分の性格を「ＣＲＯＯＫＥＤ（ひねくれ者）」と記していた。

　青森高進学後に内向的になったようで、髪はボサボサ、若白髪も生えていたという。同高の同級生は「目立たない子だった」「囲碁が好きだったようだ」。成績は「中の下」で、卒業後の進路は中日本自動車短大（岐阜県）。短大への進学は学年中２人だけで、同短大卒業後に派遣労働者になったようだ。

　昨年から働く静岡県裾野市の自動車製造工場の時給は１３００円。契約は来年３月までで、塗装の検査工程担当。月額給与は約２０万円プラス残業代程度だったという。日研総業が借り上げたマンションに１人暮らししていたが、同じ階の住民は「会ってもあいさつすることはなかった」と話している。

　［2008年6月10日9時6分　紙面から］