【台北9日小山田昌生】台湾総統府は9日、馬英九政権発足に伴い休止していた総統府庁舎の一般公開を再開した。中台関係改善の動きを受け、これまで見学を認めていなかった中国人や香港・マカオ住民にも新たに見学を認める。
台北市内にある台湾総統府は、日本統治時代の1919年に「台湾総督府」として建てられた赤れんが建築。庁舎1階の見学コースには、台湾の近現代史に関する写真や文物が展示されている。
民主進歩党(民進党)・陳水扁政権から国民党・馬政権に交代したのに合わせて、展示内容も一部変更された。日本統治下に進められた建設事業の紹介や歴代台湾総督の肖像写真は、日本統治の実績を肯定的に評価した陳前政権下での展示を基本的に受け継いだが、戦後の国民党統治や民主化運動に関する展示部分はまだ改修作業中。
見学コースは平日午前中に開放。日本人観光客も多く訪れ、日本語解説員が常駐している。
=2008/06/10付 西日本新聞朝刊=