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盗まれたカメラが「自宅に連絡」、犯人も発見

カメラなどのガジェットに、製品そのものや個人情報を保護する技術が採用されるようになっている。写真を自宅PCに送信する機能が、窃盗犯の発見に役立ったことも。(ロイター)
2008年06月06日 11時39分 更新

 アリソン・デローゾンさんはフロリダでバケーション中にデジカメを紛失したとき、幼い息子の写真やホームビデオもなくなってしまったと思った。

 その後おかしなことが起きた。なくなったカメラが「家に連絡」してきたのだ。

 カメラには無線インターネット機能付きの特別なメモリカードが装備されており、バケーションの写真を自動的にデローゾンさんのPCに送ってきただけでなく、彼女がレストランに忘れていったバッグを盗んだ犯人の写真もアップロードした。

 「PCでEye-Fiマネージャを立ち上げたら、カメラを盗んだ人たちが写っていて驚いた」と米ニューヨーク州ロングアイランド郊外出身のデローゾンさんは話す。「犯人はわたしたちのカメラを盗んだだけではなく、わたしたちの別のカメラを手にしている共犯者の姿を写真に撮っていた」

 デローゾンさんは、彼女が持っているキヤノンのカメラに合うクリスマスプレゼントとしてEye-Fiをもらった。Eye-Fiは2GバイトのSDカードで、多数のデジカメに対応する。

 同製品は100ドル程度で、ユーザーが無線ネットワークに接続すると、自動的に自宅のコンピュータかオンライン写真共有サービスに写真をアップロードする。

 幸運なことに、カメラを盗んだ犯人たちはセキュリティの緩い無線ネットワークのエリアを通った。このネットワークの工場出荷時の設定がデローゾンさん宅のシステムの設定と一致したため、Eye-Fiは自動的に写真を送信した。最初は彼女の息子の写真を、それから夢中で写真を撮っている犯人の写真を。

 彼女の体験は、日用的なガジェットに、製品そのものや、デバイスに保存されている貴重な個人情報――家族の電話番号から事業予算まで――を保護する機能を与える技術が台頭していることを反映している。

日本の「屋根裏の散歩者」事件でも活躍

 自宅へ通信するガジェットの中で、最もよく犯罪抑止に使われているのはおそらくカメラだろう。

 先月には奇妙な事件が起きた。日本人男性が、キッチンの食べ物が消えていることを不審に思い、自宅に隠しカメラを取り付けた。男性が外出中に、隠しカメラは侵入者――天袋に隠れ住んでいた見知らぬ女性――の写真を彼の携帯電話に送った。

 数年前には、ニューヨークのタクシーに置き忘れられた携帯電話Sidekickを16歳の子供が見つけ、写真の撮影やインスタントメッセージの送信に利用したという事件が報道された。

 だがSidekickのキャリアは、そうしたデータのバックアップを自動的にリモートコンピュータ上に保存するため、持ち主の友人エバン・ガットマンさんは手掛かりを見つけ、持ち去り犯に恥をかかせるキャンペーンをオンラインで立ち上げた。この子供はその後逮捕された。

 受動的なシステムはなくなったガジェットを持ち主と再会させる手助けをしてきたが、もっとアグレッシブな対策がノートPCやiPod、BlackBerryなどの保護に使われることもある。

 米GadgetTrakは、この種のデバイスに搭載できるソフトを販売している。例えばBlackBerryが悪人の手に渡ったら、このソフトは新しいユーザーのSIMデータカードの情報を電子メールで正統な持ち主に送信する。

 Macの場合、このソフトは内蔵カメラで窃盗犯をビデオに撮り、近くの無線ネットワークの情報と一緒に持ち主に送る。

 GadgetTrackのライセンスは約1年で2万本ほど売れた。うち1万本はHDDメーカーの米Seagateが購入した。

 「われわれがここまで成功している理由は、人々がこの種のソフトがインストールされているとは思っていないからだ」と同社の創設者ケン・ウェスティン氏は語る。「100%確実なセキュリティ対策はない。常に回避策が出てくるものだ。だが、平均的な窃盗犯はコンピュータの専門家ではない」

 デローゾンさんは、カメラを盗んだ犯人を告訴したいとは思わなかった。犯人はいずれも彼女がカメラを置き忘れたレストランの従業員だった。

 彼らは解雇されたが、デローゾンさんにとっては、法の裁きは息子の思い出を取り戻すことほど重要ではなかった。

 「ようやくカメラを取り戻したとき、夫と一緒に一晩中ビデオを見た。息子が初めて自分でご飯を食べたときの様子とか、ベビーベッドの中で初めて立ち上がったときの様子とか、ばかばかしいものだけれど。一晩中ビデオを楽しんだ」

[ニューヨーク 5日 ロイター]

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