取り押さえられた容疑者とみられる男=8日午後0時37分ごろ、東京・秋葉原、通行人撮影通行人らが車にはねられ、刃物で切りつけられた現場=8日午後1時22分、東京都千代田区外神田、筋野健太撮影容疑者が運転していたトラックを調べる捜査員=8日午後2時57分、東京都千代田区外神田、筋野健太撮影 ※写真をクリックすると拡大します
東京都千代田区外神田の秋葉原電気街の交差点で8日午後0時30分すぎ、男が通行人をトラックではねた後、ナイフで刺す無差別殺傷事件がおき、男性6人と女性1人が犠牲となった。殺人未遂容疑で現行犯逮捕された男は警視庁に「秋葉原は数回来たことがある。人がたくさんいることを知っていた。2、3日前に決意した」と供述。携帯サイトの掲示板に犯行を予告し、実行までの経過を書き込んでいたという。
男は静岡県裾野市富沢、派遣会社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)。調べに、携帯サイトへの書き込みを認めており、同庁は携帯電話を押収した。「人を殺すため秋葉原に来た。世の中が嫌になった。生活に疲れてやった。誰でもよかった」と述べているという。
加藤容疑者は逮捕された際、犯行に使用した全長約23センチのナイフを持っていたほか、上着の内ポケットにも折り畳み式ナイフを入れていた。「ナイフは買った」と供述。ほかにも刃物を用意していたという。
レンタカー会社によると、加藤容疑者は7日午後5時ごろ、静岡県沼津市内の営業所で「引っ越しをする」と8日午前8時から12時間の契約でトラックを予約したという。加藤容疑者は「8日午前7時ごろ自宅を出て電車で沼津に行った。レンタカーで裾野インターから東名を使い横浜青葉インターでおり、国道246号を通った」と話しているという。
ほかにけがをした10人のうち男性5人と女性2人が重傷。死者7人のうち2、3人には刺された傷がないため、はねられ死亡したとみられる。刺された人の多くは傷が1カ所だけで、ナイフで一突きされたらしい。
調べや目撃者の話では、加藤容疑者はトラックで神田明神通りを蛇行しながら暴走。歩行者天国の中央通りとの交差点に突っ込んで3人をはねた。車を降りた後、はねられた人を救護していた万世橋署交通課の男性警部補(53)を刺し、前後して通行人らを次々刺した。近くの秋葉原交番にいた巡査部長(41)が電器店角の路地で拳銃を取りだして「武器を捨てろ」と警告。加藤容疑者がナイフを捨てたところで取り押さえた。この間、数分だったという。
現場はJR秋葉原駅近く。日曜日の歩行者天国のため、買い物客でにぎわっていた。