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調査研究
調査研究の目次
高次脳機能障害の知識,高次脳機能障害とその家族に対する支援(主介護者へのアンケート調査から)
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平成17年9月8日作成
目 次
高次脳機能障害の知識
高次脳機能障害者とその家族に対する支援(主介護者へのアンケート調査から)
資料 主介護者が今後必要と感じている支援(自由記述より)
広島県立総合精神保健福祉センター 横田則夫
人間の大脳皮質には、運動をつかさどる「運動野」、視覚や聴覚など五感を感じ取る「感覚野」、感覚の情報を統合し、これまでに蓄えられた知識と合わせて、行動を計画したり修正したりする働きを持つ「連合野」がある。高次脳機能とは、およそこの連合野の機能をさしている。従来「高次脳機能障害」という言葉は、失語・失行・失認等の大脳の巣症状をさすことが多かったが、これらは大脳における機能局在が割合にはっきりしており、客観的な評価方法も比較的確立されている。一方最近では、「高次脳機能障害」という言葉が、脳損傷に起因する行動障害までを含めた認知障害一般を指すようになってきた。すなわち、高次脳機能障害とは認知、行為(の計画と正しい手順での遂行)、記憶、思考、判断、言語、注意の持続などが障害された状態であり、全般的な障害として意識障害や痴呆も含む。そうなると、発達障害(たとえば自閉症)や進行性の痴呆(たとえばアルツハイマー病)、統合失調症などの精神疾患までも高次脳機能障害であると言えなくもない。しかしこれでは概念が広すぎて、何のために名づけるのか意味が無いことになる。
今問題となっている「高次脳機能障害」は、医学的な症状を指す言葉ではなく、行政的に名づけられた疾患・障害の扱いとなっていることを理解する必要がある。この背景には、特に若年の外傷性脳損傷の患者が、従来のリハビリテーションや福祉の対象とならず問題となってきたことがある。つまり、若年であるために介護保険の対象にならず、麻痺が無ければ身体障害にもならず、脳損傷に起因するため従来の精神障害とは異なるリハビリテーションの必要性を持つ人々を対象とした言葉である。国際的にはこのような言葉は通用せず、外傷性脳損傷あるいは器質性精神障害と呼ばれるのが一般的である。
高次脳機能障害と言っても、症状は様々で障害の程度も人それぞれである。症状は障害された脳部位に関係するが、交通事故などではびまん性の損傷によって脳が全体として調和した働きができなくなることも多い。その際には、知能検査や記憶検査では異常が無いのに、仕事はできないといったことも起こる。
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身体障害が軽い脳損傷患者で、見た目にはわかりにくい高次脳機能障害が認知されてこなかった。
特に若年層の外傷性脳損傷患者は、医療福祉の谷間に取り残されている。
本人や家族はその存在すら知らされていない人も多い。
医療関係者、福祉関係者にも認知されてない。リハビリテーションの場がない。
リハビリテーションのやり方がわからない。
身体障害者手帳に該当せず、自賠責保険や労災・年金の等級が低すぎる人がいる。
福祉政策、労働政策に乗っていない。
家族会等の活動により、マスコミや国会で取り上げられる。
平成13年度から高次脳機能障害支援モデル事業が開始される。
広島県は平成14年度から参加した。
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国立リハセンターHP http://www.rehab.go.jp/ri/brain/index.shtml
平成13年度から5ヵ年の予定で、全国12自治体が参加
目的:医療福祉サービスの試行的実践を通じて調査を行い、今後の適切なサービスについて提言する。
中間報告から調査結果の抜粋
対象:
16〜65歳の424名(平均年齢33.1歳、20代が最多、男性78%)
病院を利用する者:
171名(リハビリテーション病院103名、一般病院63名、精神病院5名)
更生援護施設等を利用する者:
153名(身体障害者更生援護施設83名、地域利用施設18名、身体障害者授産施設15名、小規模作業所16名)
障害者手帳を有する者:
47%(身体障害者手帳42%、精神障害者保健福祉手帳9%、療育手帳2%)
原因疾患:
外傷性脳損傷76%、脳血管障害17%、低酸素脳症3%
主要症状:
記憶障害90%、注意障害82%、遂行機能障害75%、病識欠落55%、対人機能拙劣55% FIQは測定不能から110に分布、100未満が90%
分類:
精神症状が強い群3%、知能低下(FIQ50未満)9%、身体障害のないもの43%
訓練の効果:
31%は障害尺度が改善、6ヶ月以内で開始したもので効果が高い。注意障害、遂行機能障害、意欲・発動性、抑うつ、依存性・退行等は改善が見られたが、記憶障害は改善なし。
提言:
多職種の関与する訓練(「包括的高次脳機能訓練プログラム」)が確保されること。
受傷・発症後1年未満はリハ病院での訓練を中心に、以降は身体障害者更生援護施設などでの訓練を中心に円滑なサービスが確保できることが必要である。
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1)注意障害
病巣
右半球、広範囲の脳損傷
生活での観察
ぼんやりしていて自分の周りの人や事象に関心を示さない
気が散りやすい
簡単なミスが多い
二つ以上のことを同時にできない
他のことに関心を転換できない神経心理学的検査
100-7,数唱
Trail-Making Test(TMT)
PASAT
2)記憶障害
病巣
視床、前脳基底部、側頭葉内側面(海馬)
生活での観察
日時、場所、人の名前がおぼえられない(見当識)
一日のスケジュールがわからない
出来事の記憶が前後する
作話や妄想的発言神経心理学的検査
WMS-R
リバーミード行動記憶検査
三宅式記銘力検査
ベントン視覚記銘検査
3)失語症
病巣
左半球前頭葉下部、側頭葉、角回
生活での観察
会話が困難
理解が不十分神経心理学的検査
標準失語症検査(SLTA)
老研版失語症鑑別診断検査
WAB(Western Aphasia Battery)失語症検査
4)失認(視覚失認、相貌失認、聴覚失認)
病巣
両側後頭葉
生活での観察
対象そのものが何であるかわからない
よく知っている人の顔がわからない
話、環境音が聞き取れない神経心理学的検査
標準高次視知覚検査
5)失行
病巣
左半球頭頂葉など
生活での観察
簡単な動作が口頭命令、模倣、物品の使用など、適切な状況下でうまくできない
神経心理学的検査
標準高次動作性検査
観念失行(系列行為の障害・マッチを擦って煙草に火をつける等)
構成失行(空間的形態を構成できない)
着衣失行(着衣の障害、左右、前後を間違える、うまく着れない等)
頬−顔面失行(舌、唇の運動、嚥下動作、顔の表情を指示通りできない等)
6)地誌的障害
病巣
右(両側)側頭葉から後頭葉
生活での観察
よく知っている道で迷う
家の近くの写真を見せてもわからない神経心理学的検査
自宅の見取り図、近所の地図を見せてもどこかわからない
7)半側空間無視
病巣
右半球頭頂葉
生活での観察
食事の時、左側にある食事を残す
常に顎が右方向を向いている
歩行時に左側にある物にぶつかる神経心理学的検査
抹消検査、線分2等分検査
模写検査
8)半側身体失認
(病態失認)
病巣
右半球
生活での観察
左側の麻痺が存在していても、医師、療法士の質問に麻痺の存在を否定する
歩行できないにもかかわらず、歩けると言う
左側の身体の異物感や他人のものと思うことがある神経心理学的検査
日常生活での観察記録
9)遂行機能障害
病巣
前頭葉
生活での観察
見通しの欠如
アイデアの欠如
計画性、効率性の欠如神経心理学的検査
WCST(Wisconsin Card Sorting Test)
BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome)
Tinker toy Test
10)行動と情緒の障害
病巣
破局反応:左半球
無関心:右半球生活での観察
依存的になる、年齢よりも幼くなる
周囲の状況に無関心になる
感情のコントロールがうまくいかない、欲求が抑えられない
状況に適した行動がとれない神経心理学的検査
WOOD法(行動、情緒のチェック表)
ABS適応行動尺度
<外傷性脳損傷後の精神疾患の発症頻度について>
・Axis Tand U Psychiatric Disorders After Traumatic Brain Injury: A 30-Year Follow-Up Study Salla Koponen et al , Am J Psychiatry 2002; 159: 1315-1321によると
60名の患者中29名(48.3%)は、現在TBI受傷後に発生したT軸障害をもっており、37名(61.7%)は、罹患の既往があった。TBI受傷後に新たに発生した精神障害でもっとも多いのは、大うつ病(26.7%)であり、アルコール乱用ないし依存(11.7%)、パニック障害(8.3%)、単一恐怖症(8.3%)、精神病性障害(6.7%)であった。14名(23.3%)の患者は何らかの人格障害を持っていた。最も頻度が高かったのは、回避性(15%)、妄想性(8.3%)、スキゾイド(6.7%)人格障害であった。9名(15%)は、器質性人格障害をもっていた。
・脳損傷男性患者3552人中8.9%が精神病を呈し、そのうち24%が統合失調症様で、若年の軽度損傷者に多い(Achte 1969)。頭部外傷で統合失調症のリスクが2−3倍に増加する(Davidson 1969)。
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最低限必要な検査
- 頭部MRIないしCT(現在異常がない場合は受傷時のもの)
- 生活状況の調査、ADL
- 知能検査(WAIS-Rなど)、記憶検査(WMS-Rなど)。遂行機能検査としてWCSTなどが求められることもある。
知能指数と高次脳機能障害による生活困難度との関連を調査した研究において、知能指数が高いにもかかわらず生活困難度が高い例がある。脳の画像検査、神経心理学的テスト、脳波の検査結果は臨床判定の際の有効な手段となるが、その結果のみをもって労働能力の喪失の程度や全体像を正しく評価・判定することは困難である。
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T.主要症状等
- 脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認されている。
- 現在、日常生活または社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害である。
U.検査所見
MRI、CT、脳波などにより認知障害の原因と考えられる脳の器質的病変の存在が確認されているか、あるいは診断書により脳の器質的病変が存在したと確認できる。V.除外項目
- 脳の器質的病変に基づく認知障害のうち、身体障害として認定可能である症状を有するが上記主要症状(I-2)を欠く者は除外する。
- 診断にあたり、受傷または発症以前から有する症状と検査所見は除外する。
- 先天性疾患、周産期における脳損傷、発達障害、進行性疾患を原因とする者は除外する。
W.診断
- T Vをすべて満たした場合に高次脳機能障害と診断する。
- 高次脳機能障害の診断は脳の器質的病変の原因となった外傷や疾病の急性期症状を脱した後において行う。
- 神経心理学的検査の所見を参考にすることができる。
なお、診断基準のTとVを満たす一方で、Uの検査所見で脳の器質的病変の存在を明らかにできない症例については、慎重な評価により高次脳機能障害者として診断されることがあり得る。また、この診断基準については、今後の医学・医療の発展を踏まえ、適時、見直しを行うことが適当である。
☆失語症のみの場合には、身体障害となる。
高次脳機能障害整理表
高次脳機能障害 意思疎通能力
(記銘・記憶力、認知力、言語力等)問題解決能力
(理解力、判断力等)作業負荷に対する持続力・集中力
(身体的な持続力を含む)社会行動能力
(協調性・攻撃性・易刺激性等)A
多少の困難はあるが概ね自力でできる
(1)職場で他の人と意思疎通をほぼ図ることができる。
(2)必要に応じ、こちらから電話をかけることができ、かかってきた電話の内容をほぼ正確に伝えることができる。
(1)さほど複雑でない手順であれば、概ね理解して実行できる。
(2)ある程度抽象的な作業であっても概ね1人で判断することができ、実行できる。
概ね8時間支障なく働ける。
周囲の人ともほぼ交流ができ、作業や生活に多少の支障しか生じない。(変更)
B
困難はあるが概ね自力でできる
(1)職場で他の人と意思疎通を図るためにはゆっくり話してもらう必要がある。
(2)かかってきた電話の内容を時々忘れることがある。
(3)普段の会話には何とかついていけるが、文法的な間違いをしたり、適切な言葉を使えないことがある。
C
困難があり多少の援助が必要
(1)職場で他の人と意思疎通を図ることができるが、意味を理解するために時には繰り返してもらう必要がある。
(2)指示がなければ、こちらから電話をかけることができない。
(3)雑談程度の会話の場合でも断片的な単語だけで話すことが多い。
(1)手順をなかなか理解することができず、何度も確認することが必要である。
(2)かなり具体的な作業であっても1人で判断することは困難であり、時々助言を必要とする。
概ね8時間働けるが、障害のために予定外の休憩あるいは注意を喚起するための監督が時々必要である。
障害に起因する非常に不適切な行動(攻撃性・不安定性など)が時々認められ、作業や生活に支障が生じる。
D
困難はあるが援助があればできる
(1)職場で他の人と意思疎通を図ることができるが、意味を理解するためにしばしば繰り返してもらう必要がある。
(2)電話のベルが鳴れば、受話器を取ってこちら側の名前・社名は言える。
伝言の記憶が不正確で依頼者の名前を思い出すことが困難なことが多い。(3)単語を羅列することによって、自分の考え方を伝えることができる。
E
困難が著しく大きい
(1)実物を見せる、やってみせる、ジェスチャーで示す、などのいろいろな手段と共に話しかければ、短い文や単語くらいは理解できる。
(2)ごく限られた単語を使ったり、誤りの多い話し方をしながらも、何とか自分の欲求や望みだけは伝えられるが、聞き手が繰り返して尋ねたり、いろいろと推測する必要がある。
(1)与えられた一つの課題についても、なかなか理解することができない。
(2)単純な作業であっても1人で判断することは著しく困難であり、頻繁な指示がなければ対処できない。
障害により予定外の休憩あるいは注意を喚起するため、監督をしばしば行っても半日程度しか働けない。
障害に起因する非常に不適切な行動(攻撃性・不安定性など)がしばしば認められ、作業や生活に大きな支障が生じる。
F
できない職場で他の人と意思疎通を図ることができない。
課題を与えられてもできない。
持続力に欠け働くことができない。
社会性に欠け働くことができない。
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1.訓練プログラム
1)医学的リハビリテーション・プログラム
2)生活訓練プログラム
3)職能訓練プログラム
医学的リハビリテーション
生活訓練・職能訓練
専門職種
PT、OT、ST、心理士等
生活訓練、職能訓練の担当者
訓練の主たる目標
注意、記憶、遂行機能障害など機能障害を直接扱う
生活、作業を通じた高次脳機能障害諸機能に対するアプローチ
いずれの訓練も、次のような戦術を取る。
(1)認知障害に対する改善(狭義の認知リハビリテーション)
(2)代償手段の獲得
(3)障害の認識を高める
(4)環境調整(家族へのアプローチを含む)
(1)は、高次脳機能障害者のもつ注意障害、記憶障害といった特定の認知障害に対する訓練法であり、狭義の認知リハビリテーションにあたる。このような訓練が有効でない場合は、残された機能を用いた代償手段(2)を訓練する。例えば、記憶障害で言語的記憶に比べて、視覚的記憶が残されている場合に、絵で描かれた手がかりを活用するようなことである。一方、障害者自身が自らの機能障害を認識することができると、種々の代償手段が活用しやすくなる(3)。従って、実際の検査・実施結果をその場で提示して、あるいは、ヴィデオ記録を行い再生して本人にフィードバックするといった方法が行われる。障害によって起こる不都合が少しでも少なくなるように周囲の環境を整えるといった手段(4)を講ずる。例えば、家族に障害を説明し理解してもらい、障害者が混乱に陥る前に適切なタイミングで援助を依頼する、大切なものを見つけやすいように整理する、身に付けておくなどである。
2.チームアプローチについて
時に、多職種の訓練の目標が一致しないこともある。評価結果をチーム全体で検討し、対象者の問題点を全員で共通に認識する必要がある。また、定期的なカンファレンスを通じて、訓練の進行状況、訓練中の生じた問題点などをお互いが共通に理解することが大切である。
専門職間だけでなく、当事者に対する対応が大切である。評価結果、訓練方針、目標などは、家族に対して十分に説明する必要がある。また、家族勉強会あるいは家族会の活動は重要である。当事者の疑問、不安を当事者が出し合い、すでにそのような問題を経験した患者・家族からの助言(ピア・カウンセリング)は、時には、それまでの専門職からの説明に関する理解を促進する可能性がある。また、スタッフにとっても当事者のもつ疑問・不安を理解する上で重要な機会である。
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60才男性
54才時、交通事故にて急性硬膜外血腫、鎖骨骨折を受傷し開頭術を受ける。受傷後意識障害あり。外傷後健忘の期間40日。約90日で退院。
退院後、幼児的となり不安が強く1ヶ月再入院。約1年後に職場復帰するも頭がぐらぐらし、仕事もできず休職。うつ状態にて精神科への入院と外来通院を行うが、良くならず中断する。仕事はできないまま4年後に定年退職。
58才時、新聞記事で高次脳機能障害を知り、自ら身体障害者リハビリセンターを受診する。主な症状は、不安、抑うつ、集中できず続かない、注意力散漫、意欲低下、妻に対して攻撃的となる、「悪口を言う」と妻を疑う、爆発する、大声を出す、同じことをしつこく言う、お金をあるだけ使ってしまう、場に合わない行動や冗談を言う、物を置き忘れる、慣れた場所でもわからなくなる、漢字や人の名前を思い出せない、動作が緩慢で不器用、味覚が変わった、頭がぐらぐらする、平衡感覚が悪化したなど。
検査所見
頭部MRIにて左側脳室拡大、左海馬萎縮
WAIS-R;VIQ84、PIQ93、FIQ88
WMS-R;言語性記憶59、視覚性記憶81、一般的記憶61、注意/集中力88、遅延再生65
HDS-R;22点、MMSE;24点
Trail Making Test; A 104秒(60代の平均 157±66秒)B 187秒(60代の平均 216±85秒)
障害尺度 4段階/8段階(あらゆる活動に付き添いが必要。簡単な家事は可能)
一般職業適性検査;知的26、言語35、数理46、空間50、指先7、手腕16などで適正職業なし
治療経過:身体障害者リハビリテーションセンターの認知リハビリテーション、集団療法、当事者の会のミーティングにて障害の認識が深まるとともに、活動が増え意欲は改善。記憶障害はメモの利用などの代償手段である程度カバーし、ひとりでリハビリに通えるようになる。普段は作業所に通うようになり、日常過ごす場所ができたことと仲間の存在で情緒も安定してきた。自賠責保険の再審査請求中。精神障害者保健福祉手帳2級。記憶の問題や運動機能低下などは変わっていない。
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広島県立保健福祉大学 作業療法学科
荒井 香菜 石井 佳奈子 板橋 史典 藤本 麻衣子
高次脳機能障害者の主介護者を対象に、困っていることとその程度、支援の状況、必要としている支援を明確にすることを目的とし、アンケート調査を行った。その結果、将来への不安を抱えている人が最も多く、経済面や今後の介護の継続に対する不安が強いことがわかった。支援の現状に関して、情報不足と有用性の低さが明らかになり、情報の量と質をともに高めていく必要がある。特に退院時にあらゆる分野の情報が少ないことが明らかになった。今後は、高次脳機能障害についての知識を提供することはもちろんのこと、退院後に利用できる支援等の情報提供を行っていく必要がある。今回の調査の結果から主介護者が必要としている支援は、主介護者への心理ケアなどの直接的な主介護者への支援とともに、当事者への支援を充実させていくことが主介護者への間接的な支援につながると考えられた。作業療法士ができる支援としては、情報提供、心理的サポート、家族への理解促進、リハ内容の充実などが挙げられる。
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外傷性脳損傷、脳血管障害などによる器質的脳病変により生じた後遺症の中で、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害は、一般に高次脳機能障害と呼ばれている1)。外見的には障害が分かりにくいため、周囲に理解されないことが多い。
脳外傷は当事者に障害をもたらすばかりでなく、家族にも同様の、あるいはより以上の大きな障害を与える2)。今回我々は、脳外傷友の会広島「シェイキングハンズ」(以下「家族会」とする)の交流会などに参加し、当事者の家族から直接話を聞く中で、当事者への支援不足だけでなく、家族も支援を必要としている現状を知った。
これまで脳外傷の当事者に関しては多くの研究、調査が行われているが、脳外傷者の家族に焦点を当てた研究は少なく、どのような支援が必要であるか明確になっていないのが現状である。そこで、今回我々は、脳外傷者の主介護者に対してアンケート調査を行い、その結果から脳外傷者の家族が困っていることとその程度、支援の状況、必要としている支援を明確にすることを目的とする。さらに作業療法士(以下OT)の専門性を生かした当事者とその家族への支援を提案する。
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家族会の調査協力を得て、全会員(124名)の主介護者を対象にアンケート調査を実施し、回収できたアンケート用紙(48通)の集計、分析を行った。
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以下に示す7項目についてアンケートを作成した。
T.当事者についての基本的データ
U.家族構成、主介護者の続柄、介護補助者の有無
V.介護者の困っている事(全46項目)の困り度合い(5段階)
W.家族機能について(家族関係や家族機能への影響を測定するため、FAD全般的機能を使用)
X.社会復帰への支援状況(23項目)とその支援の役立ち度、必要度(5段階)
Y.主介護者の精神健康度(100点満点)
Z.自由記述
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当事者の属性
8割が男性で特に10〜30代(現在)が全体の約7割を占めており、高次脳機能障害が若い人に多い問題であることが示された。受傷時の年齢は10〜30代が全体の約75%、受傷原因の約75%が交通事故によるものであるという結果からも納得できる。当事者の現在の障害尺度は、約7割の人が、身体的な介助は必要としないが日常生活や社会参加に何らかの障害を抱えているということが示された。
主介護者
母:6割、妻:3割であり、年齢は40〜60代が約9割を占めている。当事者と主介護者が2人暮らしである割合は全体の約2割で、その他の約7割の人が3人以上で同居している。同居家族内に直接的な介護をする補助者がいない家族は6割もおり、多くの方が主介護者一人で介護を行っているという現状が示された。
主介護者の悩み
全46項目の中で「困っている」と回答した人が多い項目の上位6項目を以下に挙げる。
1.将来への不安を感じる(先が見えない):92%
2.将来的に経済面が不安である:79%
3.専門の医療機関がないか遠すぎる:70%
4.就職(就学)ができない/続かない:68%
5.介護を続けるにあたって、自分の健康面、体力が不安:66%
5.利用できる社会福祉制度が不十分:66%
上記より、多くの介護者が将来における経済面や自分の健康面について不安を感じている。自由記述では、「体調も不調だが入院できないと思い、病院にも行っていない」、「親が亡くなった後に生活できる施設を希望する」などの記述も見られた。
その他の項目については表1を参照。介護者自身の悩みにおいて、「自分の時間が持てない」、「交友関係が減った」などにも困っていると回答した人が多く、当事者の受傷によって介護者自身やその生活の様々な面に大きく影響を及ぼしていることが示された。家族の問題について、困っている人は多くはなかったが、既に離婚している:1割、離婚を考えている:2割で家族関係や夫婦関係に少なからず影響をもたらすと言える。虐待しそうになる、自殺を考えてしまうという項目において「困っている」と回答した人はそれぞれ全体の15%、9%にあたり、これは無視できる数ではない。当事者についての悩みでは、目に見える身体障害や精神症状よりも、目に見えにくい高次脳機能障害特有の問題点に困っている人が多いことが示された。これらは日常生活場面において浮き彫りとなり、当事者の就職や就学の大きな障害となっている。
表1 主介護者の悩み上位3項目
大項目(悩みの種類別)
大項目内の上位3項目
困っている人の割合
介護者自身についての悩み
将来への不安を感じる(先が見えない)
92% 介護を続けるにあたって自分の健康面・体力が不安
66% 介護を負担に感じる
59% 家族についての悩み
家族内での対立・言い争いが増えた
36% 家族団欒の機会が持てない
27% 家族が障害を理解してくれない
26% 当事者についての悩み
就職(就学)ができない
68% 予定や出来事を記憶できない
64% 順序立てて物事を進められない
63% 医療機関や高次脳機能障害の情報・制度に対する悩み
専門の医療機関がないか遠すぎる
70% 利用できる社会福祉制度が不十分
66% 障害や治療、社会福祉制度について医療機関で説明が少ない
60% 後遺症の認定についての悩み
窓口担当者の高次脳機能障害の理解が乏しい
48% 障害者手帳の等級が低い
35% 診断書を書く医者の高次脳機能障害の理解が乏しい
33% 金銭面の悩み
将来的に経済面が不安である
79% 収入が少なく家庭の経済状況が苦しい
43% 医療費がかさむ
29% 事故後の処理について(交通事故が受傷原因)
事故処理でトラブルが起きている/起こった
14% 障害を理解している弁護士に出会えない
5%
支援の現状 表2を参照。
情報:退院時「あった」と回答した人は1〜2割で、その情報が「役に立った」と回答した人が1〜2割の項目もあり、情報の有用性の低さが示された。退院時と比べ現在情報がある人は7〜8割と増えている。相談と心理的ケア:半数の人がカウンセリングを受けた経験があり、その内7割以上が役に立つと回答し、カウンセリングの有用性が示された。同様に、相談窓口、支援コーディネーター、家族会も有用性のある支援だが不足していることが示された。
社会福祉制度:それぞれの項目において約半数前後の人が利用しており、また、7〜8割の人が「役に立つ」と回答し、有用性の高さが示された。精神障害者手帳を利用したことがない人の必要度が45%と比較的低い。
当事者へのサービス:リハビリテーションについてはほとんどの人が受けており、有用性も高い。入所/通所サービス、ホームヘルプ、作業所などのサービスを利用したことがある人は1〜2割と少ない。就労支援について利用したことがある人は2割、その中で役に立った人は3割、役に立たなかった人も3割で就労支援の質が問われている。その他に介護者の必要としている支援として、自由記述では、「当事者に合った社会復帰プログラム」など社会復帰への支援、「グル−プホーム」「高次脳機能障害者用の通所、入所施設」「トータルにサポートできるNPO的な組織」など地域支援・生活支援、「高次脳機能障害者用の手帳」「治療費、生活費、交通費などの保障」など制度や認定に関する支援が挙げられた。
表2 支援状況
支援内容 時期
あった/ある
役に立った/立っている
役に立たなかった/立っていない
情報 高次脳機能障害についての情報
退院時
9% 66% 0% 現在
93% 55% 0% 適切な介護の仕方についての情報
退院時
10% 20% 20% 現在
77% 51% 12% 心理カウンセリングや専門家による相談についての情報
退院時
11% 25% 0% 現在
76% 57% 9% 相談窓口の存在や場所についての情報
退院時
13% 40% 20% 現在
86% 58% 10% 社会福祉制度(手帳や障害年金)についての情報
退院時
20% 67% 22% 現在
70% 50% 17% 当事者のサービスについての情報
退院時
19% 13% 13% 現在
76% 42% 24% 高次脳機能障害の専門医療機関についての情報
退院時
9% 25% 50% 現在
80% 63% 11% 事故処理(弁護士等)についての情報(交通事故が受傷原因の方のみ)
退院時
9% 67% 33% 現在
52% 58% 9% 心理的ケア カウンセラーによる心理カウンセリング
現在まで
51% 75% 8% 相談窓口の利用
現在まで
52% 57% 17% 支援コーディネーターの利用
現在まで
28% 77% 8% 家族会への参加
現在まで
96% 71% 11% 制度 障害年金の利用
現在まで
42% 87% 0% 身体障害者手帳の利用
現在まで
46% 73% 11% 精神障害者手帳の利用
現在まで
52% 72% 14% 療育手帳の利用
現在まで
13% 83% 17% サービス リハビリテーション(認知リハ、日常生活訓練)の利用
現在まで
91% 71% 2% 入所施設(ショートステイ、グループホーム)の利用
現在まで
15% 71% 0% 通所施設(デイサービス、生活支援センター)の利用
現在まで
17% 75% 0% ホームヘルプ(訪問サービス、ホームヘルパー)の利用
現在まで
13% 67% 33% 作業所、授産施設の利用
現在まで
23% 64% 9% 就労支援(就労支援センター、職業訓練施設)の利用
現在まで
21% 33% 33%
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統計・解析ソフトStat Viewを用い、危険率0.05で分散分析、カイ2乗検定を行った。有意な相関が認められた相関関係を図1に示す。介護における補助者の有無と主介護者の精神健康度、FAD得点、主主介護者の困り度の相関では有意差が認められなかった。
図1有意な相関が認められた相関関係
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1.今後必要とされる支援
今回の調査の結果から、主介護者が必要としている支援は、介護者への心理ケアなどの直接的な支援とともに、当事者への支援を充実させていくことが介護者への間接的な支援につながると考えられた。
今回のアンケートでは、情報の質の不十分さが明きらかになり、今後情報の量と質を共に高めていくこと、必要とされている時にその支援を提供することが求められている。特に退院時に後遺症についての説明が不十分なことが明らかになり、予測される後遺症についての説明や退院後の生活へのフォローが医療従事者に求められている。
しかし、保健所や福祉施設に相談しても、当事者・介護者が望む対応をしてくれるサービス自体が少ないことに加え、医療現場や制度、サービス間の連携が取れていないという問題もあり、急性期からリハビリ、社会参加までの一貫した支援システムの確立が必要とされている。また、障害種別や施設形態にこだわらず、当事者一人一人の抱える問題を把握し、必要な支援を総合的にサポートできる支援コーディネーターの存在が求められている。
さらに今後介護者が望む支援として、緊急時に受け入れ可能な施設(70.2%)、介護疲れによる介護者の医療費公的負担(68.1%)、脳外傷についての知識のある人による絵・習字・音楽等の訪問教室(61.7%)があり、介護者にとって心強い支援や当事者のQOLの向上に関わる支援など、より生活に密着した内容を求めていると考えられる。
医療機関に対する悩みとして、7割の人が「専門医療機関がない、又は遠すぎる」ことで困っており、「最寄の医療機関の紹介」、「毎日通うため、近くに通所施設がほしい」などの自由記述からも、専門医療機関や施設の設置、また専門知識を持った医療従事者の充実が求められているといえる。また今ある専門医療機関と地域の病院が密に連携をとることにより、専門医療機関への通院が困難な人でも、地域で同様のケアを受けられるようになることが重要であると考える。以上のようなことが実現されることにより、一貫した支援システムの確立につながるのではないかと考えられる。
また今回、身体障害は問題となっていなくても高次脳機能障害によって就職(就学)できないで困っていると答えた人は7割であり、当事者、家族の大きな悩みであることがわかった。さらに、就労支援を受けたことのある人は2割で、そのうち支援が役に立ったと答えた人は3割しかいなかった。その原因として、就労支援がまだ試験的な段階で、高次脳機能障害に対する就労支援のノウハウが確立されていないことが考えられる。自由記述でも職業訓練などの社会復帰プログラムなど、就職関係の支援を求める声が多く寄せられており、更なる就労支援の内容の充実が求められているといえる。脳外傷者は記憶障害に由来する新規学習の不得意さがあり、訓練の積み重ねができないことが多い。また訓練場面で習得したことが、職場での作業に汎化しにくい。即ち施設での訓練を積み上げても就労には結びつかないということがある1)。そのため高次脳機能障害者に対して身体障害者と同様の内容の職業訓練を行うのではなく、職場での綿密な実地訓練や環境調整、雇主や同僚に対する当事者への障害理解の促進、対応方法の指導、また就労継続のためのフォローアップが重要となると考える。今回の調査では、窓口担当者の知識不足も明らかにされ、就労が困難となっている一因であると考えられる。就労に関わる職員が高次脳機能障害に関する理解を進めることは今後の課題であり、職員に対する啓発活動はOTも担うことのできる役割の一つである。
2.OTとしてできる支援
OTが主介護者に対してできる支援として、以下の3つが考えられる。一つ目に主介護者自身に対しての直接的な支援がある。次に、今回の調査の結果から、家族の問題について困っている人ほど家族機能が悪く、主介護者の精神健康度も低いという相関(図1の@)が明らかになっており、家族に対して援助することで介護者自身の負担の軽減を図ることが考えられる。また、当事者の障害が重度なほど、当事者の問題についての主介護者の困り度が高く、精神健康度の得点が低いという相関(図1のA)から、当事者への支援を充実させることで主介護者の負担の軽減を図ることが考えられる。
一つ目に該当するものとしては、主介護者の不満、要望を聞く等の心理的サポート、情報提供(利用可能な社会資源や制度、家族会の紹介)などが出来ると考えられる。主介護者の悩みを聞くことは、主介護者のサポートになると同時に、OTにとっても医療従事者と家族の認識や理解の違い、要望を知る良い機会になり、相互理解を深めるきっかけになると考える。また、家族会は情報提供以外にも会員同士の情報交換や体験の共有によって家族の心理的な支えになっている。心理カウンセラーによるカウンセリングも必要であるが、家族会で同じ悩みを持った会員同士で話し合うことで、心理的ケアの役割を果たしている。
二つ目に該当するものとしては、OTと主介護者が共に家族に説明をする機会を設けたり、必要に応じて家庭訪問などを行い、障害に関する知識の提供、関わり方のアドバイスを行うことが出来ると考えられる。それらにより、家族の障害に対する理解を高めることで、主介護者自身のサポートにつなげる事ができると考えられる。
三つ目に該当するものとしては、当事者に対するリハビリを充実させることが挙げられる。高次脳機能障害は、検査場面では現れにくく、社会生活場面や作業場面上の様々な問題として表面化する。例えば、個々の機能を取り上げて検査すると値は良いが、その機能を周囲の状況に合わせて活用したり、持続させていくという運用の面に障害があることが多い。その場合、家族からの情報や社会生活場面、作業場面の観察を通してのみ欠損を把握できる1)。OTはこういった場面において、作業遂行上の問題を適切に捉えることを得意とする専門職であり、検査結果だけでなく、十人十色である当事者の障害像を適切に捉え、援助を行うことができると考えられる。OTはその専門性を生かし、周囲に理解されにくい高次脳機能障害者への支援において、中心的な役割を担うことが出来ると考える。
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今回のアンケート調査に協力してくださった脳外傷友の会会員の皆様、会長浜田氏、高次脳機能障害者支援センター心理士 馬屋原氏、またお忙しい中熱心にご指導していただきました本学 横田則夫教授に深く感謝いたします。
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1)先崎章,星克司:脳外傷による高次脳機能障害の特徴と現状.OTジャーナル35,2001.pp.992-998.
2)栢森良二:頭部外傷患者家族の障害受容.総合リハ23(8),1995.p665.
3)東川悦子:患者・家族会の役割.MB Med Reha No.25,2003.pp67-72.
4)鈴木春海,奥宮暁子,石川ふみよ,阿部昌世:脳外傷者の主介護者に関する調査.2002.
5)佐伯俊成,飛鳥井望:「家族に関する質問調査」使用の手引きVer1.1.1997.
6)浜田小夜子:家族会の目的と役割について.平成15年度第2回広島県高次脳機能障害研修会シンポジウム:指定発言における配布資料より.
7)鈴木照雄:高次脳機能障害をもつ家族の思い.OTジャーナル35,2001.pp.1022-1023.
8)広島県高次脳機能障害連絡調整委員会 総合リハビリテーション検討グループ 編:高次脳機能障害者への系統的支援.2004.pp.1-2.
9) 松崎有子:知られざる高次脳機能障害 その理解と支援のために.せせらぎ出版,大阪.2002. 他.
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<医療的支援>
・理学、作業、言語等の療法士の増員
・高次脳機能障害を専門とする作業療法士
・医療機関の出張サービス
・専門の医療機関が遠い場合、最寄りの医療機関との連携や紹介
・当事者、家族へのケア、当事者との関わり方、リハビリの方法など個別に関わって欲しい
・医師に高次脳機能障害についてもっと学んで欲しい
<相談・心理的支援>
・受傷者、家族が気軽に相談出来る精神的カウンセリング、心のケア(2人)
・将来の相談が出来る所
・示談や裁判の相談が出来るところ
・24時間相談を受けてもらえるところ
<社会復帰への支援>
・作業所(3人)
・就労支援センター
・当事者にあった社会復帰プログラム(職業訓練など)
・職場の支援者、学校の指導者に対する高次脳機能障害についての知識教育
・家庭でできる仕事の提供
・支援コーディネーターの養成、配置
<地域支援・生活支援施設>
・退院後、必要な支援を受けるための情報を得られるシステム
・介護者亡き後も安心して入所できる施設(2人)
・グループホーム(2人)
・毎日通うための近く(市内)の高次脳機能障害者用の通所施設
・デイサービス等、昼間受け入れてくれる施設
・知識のある人による子供のスポーツ教室
・職業もあり生活していける施設
・結婚して普通に暮らす事ができる施設や支援
・知識のある管理人のいるアパート
・地域に障害者の活動拠点となる総合支援施設(自立支援ショップ、カフェ、授産など)
・定期的に利用できるショートステイ
・介護疲れのとき預かってもらえる施設
・トータルにサポートできるNPO的な組織(医師・弁護士・心理士・リハビリ専門士・行政窓口などをネットワークで結んでいる)
・関連機関のネットワーク化
<制度・手帳・後遺症認定>
・国、県が一日も早く、脳外傷を認めて手帳にして出してほしい。
・家族の話を認定の時良く聞いて介護を付けてほしい。
・介護保険への統合
・交通費公的負担
・治療費、生活費の保障
・年金の保障
・リハのために必要となる物品購入の補助
・義務教育課程での個別の学習指導、教員の増員
なお、これらの資料中には厚生労働省、国立身体障害者リハビリテーションセンター、広島県高次脳機能障害モデル事業報告書等の出版資料やホームページからの資料を含んでいます。
また症例については,ご本人の承諾を得て掲載しています。
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調査研究
調査研究の目次
高次脳機能障害の知識,高次脳機能障害とその家族に対する支援(主介護者へのアンケート調査から)
広島県立総合精神保健福祉センター(パレアモア広島) 731-4311:広島県安芸郡坂町北新地2-3-77,TEL:082-884-1051,FAX:082-885-3447