「抗酸化溶液」を活用した住宅工法「抗酸化工法」と、温めた陶板に横たわることで免疫力の向上などが期待できる温石療法を組み合わせた、「抗酸化還元陶板浴」施設を備えた健康サロン。07年6月にオープンした。
2階建ての店舗は、オーナーの松田順治さん(60)が社長を務める飛栄建設が、抗酸化工法で建てた。物質の酸化や腐敗、雑菌の繁殖などを防ぐという抗酸化溶液を、基礎コンクリートや塗料に混ぜたり、建築部材や床、壁に塗布したりしている。同溶液は、アイ企画建築設計事務所(胆振管内白老町)代表で、1級建築士の会田伸一さんが開発した。
同社では約6年前から同工法を採用。「これまで約200件の新築やリフォームを手掛けており、化学物質過敏症などのシックハウス対策で大きな効果を上げている」という。
1階に設けた男女共用の浴室は約23平方メートルの広さで、ベッドは8床ある。ベッド部分には抗酸化溶液を混ぜて焼いた陶板を埋め込んでいる。床下には、ボイラーで50度前後に温めた不凍液入りのパイプをはわせており、バスタオルを敷いて、あおむけやうつぶせになるなどして利用する。室温は45度前後、湿度20%以下で、息苦しさは感じない。
松田さんによると、免疫力が高まり、血行や新陳代謝が促進され、疲労回復やストレス解消の他、糖尿病やリウマチ、アトピー性皮膚炎など、さまざまな症状の改善に効果が期待できるという。
常連客の一人で、本間鍼灸(しんきゅう)院(東区)院長の本間勲さんは「3カ月前から、週2、3回のペースで通っている。昨年6月に受けた肝臓がんの術後経過が良好で、再発もない大きな要因だと感じている。悪性腫瘍(しゅよう)が生じているという当院の患者3人にも、入浴を勧めた」と話す。
一方、同店では毎週火曜の午前11時から1時間、浴場内でヨガに取り組む「ホットヨガ」(定員5人。要予約)も行っている。指導に当たる熊谷美月さん(30)は「体が温まっており、湿度も低いので、スムーズに運動できる」という。
この日、ホットヨガに参加した女性(55)は「大量の汗をかいて、内臓の機能が活性化された気がする。体が軽くなった感じ」などと話していた。
なお、同店では簡単な手続きで済む会員になれば、初回から入浴料金が半額になる他、割安の回数券や10回利用で1回分が無料になるサービスもある。【広瀬昭宏】
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■お店のご案内
☆札幌市豊平区平岸3の16
☆電話011・887・6183
☆営業時間=午前10時~午後9時。予約優先
☆定休日=不定休
☆駐車場=8台
☆主なメニュー
還元陶板浴=1回(60分)2000円(会員は1000円)。浴衣レンタル300円/ホットヨガ受講料=500円(入浴料別)
毎日新聞 2008年5月18日 地方版