ウニ、アワビに続け!ナマコ養殖中/洋野町(2008/01/04) | |
同所によると、ナマコは近年、中国への輸出用として需要が高く、三陸産は特に高級品とされる。輸出された干しナマコは一キロ当たり、十四万円以上の値が付くこともあるという。 このため、県は〇七年度、「ナマコ産地づくり推進事業」をスタート。(1)稚ナマコの量産技術開発(2)漁獲実態調査(3)天然ナマコの分布調査―などに取り組んでいる。〇八年度には複数のモデル漁場で、約十万匹の稚ナマコを試験放流する。 同所は(1)について県水産技術センター(釜石市)と連携。他県や中国などの養殖情報を集め、主要事業である稚ウニ栽培のノウハウを生かすなどして試験に当たっている。 〇七年五月から九月まで、同所は約四千五百匹の三陸産ナマコを使用し人工授精に取り組んだ。複数のナマコを水槽に入れ水温を五度ほど上げて刺激。放卵放精を誘発し、受精卵約七千六百万個を得ることに成功した。現在、屋外の大型水槽で約二十七万匹の稚ナマコを飼育している。 ただ、課題も見つかった。精子と卵子の反応率が約8%と低いことが判明。特にメスのナマコの成熟期が不規則で、卵子が採れない場合があったという。また、採苗後の二カ月間に死んでしまう稚ナマコが多いことも、問題となっている。 同所の山口仁上席専門研究員は「取りあえず来年放流する稚ナマコは確保できる見込み。今後は安定的で効率的な生産方法を探っていきたい」としている。 (2)(3)については、県が県内十三漁協に協力を依頼。効率的な漁具や漁法の導入による生産性の向上や、放流適地などを調査している。 【写真説明】 水槽から稚ナマコが張り付いた波板を取り出す山口仁上席専門研究員 |
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