「オタク文化の街」急速に治安悪化、警戒の矢先…秋葉原無差別殺傷事件

　通り魔事件の舞台となった秋葉原は「世界一の電気街」として、さらには「オタク文化の街・アキバ」として、海外からも注目を集めている。０３年ごろからは、ミニスカートやエプロン姿の女性店員が「ご主人さま」と客を出迎える「メイド喫茶」が街の代名詞的なブームとなり、外国人も訪れる観光地となった。

　日曜と祝日の午後は中央通りが、歩行者天国として開放される。コスプレアイドルやインディーズ系バンドのパフォーマンスのほか、セーラー服や全身タイツ姿の中年男性が闊（かっ）歩するなど、バラエティーに富んだ光景がみられる。この４月には「路上撮影会」などと称し、スカートをたくし上げて下着を見せるなどの過激パフォーマンスをしていた自称２２歳のグラビアアイドル（３０）が、都迷惑防止条例違反で逮捕される騒ぎもあった。

　０５年のつくばエクスプレス開通に伴い、駅周辺の大規模な再開発事業も進展。都内有数の繁華街となっている。一方で秋葉原に買い物に来た客を狙った「オタク狩り」などの犯罪も頻発。性風俗店も進出しており、警視庁幹部は「治安が急速に悪化している」と警戒を強めていた。