国際宇宙ステーションに設置された日本の実験棟「きぼう」の実物大模型に入ったことがある。茨城県つくば市の宇宙航空研究開発機構・筑波宇宙センターに置かれている。
大きさ、内部の広さとも、大型のバスぐらい。機器類も再現され、子どものころの宇宙飛行士へのあこがれを思い出しつつレバーを握ったりした。おかげで、宇宙から送られてくる本物の「きぼう」の映像にも親しみを感じる。
今、宇宙にいる星出彰彦さんは「きぼう」に初めて入った時「まだ空っぽだが、夢が詰まっている」と語った。星出さんの夢はステーション関係の任務達成の後、月や火星への有人飛行に貢献することだという。
七日朝のNHKテレビは実験棟の空調機器を製作したメーカーの話を紹介していた。苦心の末課題の作動音低減に成功した社長は、夜空を行く「きぼう」を眺めては「やった」と思うそうだ。
星出さんが宇宙に滞在中の八日午後八時五十分ごろと十日午後八時ごろ、「きぼう」が西日本の上空を通過する。岡山県からも見やすいはずだ。飛行機と違い、点滅せずに移動していくひときわ明るい光を探すのがポイントだ。
宇宙機構のホームページに見方の解説がある。もし天候に恵まれれば眺めてみてはどうだろう。それぞれの夢や未来を託しながら。