「やめろ」「救急車を呼んで」。梅雨の中休みでにぎわう都心の歩行者天国に悲鳴と助けを求める声が交錯した。8日午後、東京・秋葉原で市民が無差別に殺傷された通り魔事件。現場には血まみれの買い物客が次々と倒れ込み、日曜日の電気街は修羅場と化した。
事件現場となったJR秋葉原駅近くの交差点では、加藤智大容疑者(25)の身柄が確保された後も騒然とした雰囲気が続いた。路上に倒れ込んだ負傷者の回りには幕が張られ、救急隊員が必死に救命措置を続けた。
東京都大田区のフリーターの男性(19)は「最初はみんな何が起こったか分からなかったが、次第に『やめろ』などと悲鳴が増え始めた。男は特に誰かを襲っていたというわけではなく、無差別に襲っていた。信じられない光景だった」と興奮した様子で話していた。(08日 19:04)