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2008年6月 7日 (土)

平和構築とビジネス

前にもお話したと思いますが、ある財団の依頼で、平和構築とビジネスを融合させた案件を準備しています。少し斬新過ぎるかなあという想いもあり、駄目元覚悟でプロポーザルを出したのですが、是非それを叩き台に進めたいという打診を受けてしまいました。

といっても、スリランカの専門家やビジネスの専門家は何人も用意は可能なのですが、肝心の平和構築にいたっては、私は全くの素人です。

はて、どうしたものか。ピースウィンズジャパンさんは、平和構築にというよりは緊急支援のプロですし、今回のプロジェクトで言えば、色合いが違う。

どこかいい団体、専門家の方はいないものかと思っていたとき、いい団体、そして方に出会いました。国際平和協力センター(IPAC)代表の池上義晴さんという方。

是非、協力して進めていきましょうということになりました。IPACさんは、スリランカでもプロジェクトを進めたことがあり、私が日本代表をしているSEDCOの母体であるセワランカのこともよくご存知です。知っている方々もオーバーラップしている部分が多く、世間の狭さを実感してしまいました。

平和構築というカテゴリーは、一時期かなりもてはやされたものの、実質はそのあり方、モデルをめぐり、長い間論争が続いています。平和という概念が浸透しているようで、実は具体的なイメージに乏しいことも、それを助長しているように思います。

私はビジネスというかたちが、平和構築に対して、一つのゴール設定を示すのではないかと思っています。利益というのは、使い方を間違えると紛争を助長するものですが、本質的には関係者のウィンウィン関係を発展させるものであると考えています。

一方で、紛争地域の前線で活躍されてきた方達の体験というものは、定量では図りきれないほどの価値と重みがあります。

平和構築とビジネスの融合。

平和構築はビジネスになり得るはずがないと考える人は多いと思います。しかし、戦争が産業になっているのなら、平和構築が産業になってもおかしくないように思うのです。考えようですが、平和構築というカテゴリーは、BOPの底上げの起動力そのものに他ならないのです。

平和構築というフィールドは、曖昧な概念を払拭するための明確な戦略設定という梃入れを必要としています。ビジネスがそこに入っていく余地は十分にあります。そしてそれは、途上国に対しての確実な経済成長の底上げを約束するだけでなく、関係諸国全体への新たなビジネス機会の創出を約束するはずです。

能動的で業務内でのCSRの実施、つまり社会貢献性を背負った企業本来の業務に立ち返るのであれば、平和構築というフィールドは、まさに類まれな市場と言えるのではないでしょうか。(坂井)

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