« Room to Readのジョン・ウッド、慶應大学講演詳細 | トップページ | CSR戦略には文脈作りが必要 »

2008年6月 2日 (月)

CSR株価指数

先週の土曜日(5月31日)の日経夕刊に拠れば、東証が「環境」株価指数の創設を検討しているそうです。
来年にも試験的に導入。そのために、6月中に「環境力」評価手法研究会を発足させるとのこと。
これ自体、グッドニュースでありますが、これを聞いてすぐに考えてしまうのは「CSR」株価指数のことです。

同記事に拠れば、ロンドン証券取引所にはすでにCSR株価指数(FTSE4 Good Index Series)があるとのこと。
日本でも、環境だけでなく、CSR株価指数を1日も早く創って欲しいものです。

さて、指数作りには数値化された評価基準が必要です。

CSR絡みで分かりやすい数値といえば、売上げに対する寄付金や社会起業家への投資金額の比率の他に、欧米の企業に多いですが、勤務時間のうち一定の割合(週何時間とか)をボランティア活動にあててよいという制度の時間数などがあります。

しかし、社会セクターの人たちが、あまり注目していない企業の経費というものがありあす。

それが、宣伝・広告費です。

一般的に、企業の宣伝・広告費はCSR予算に比べて二桁くらい多いのですが、これはもっと活用すべきだと思うわけです。

それで、ヴォルビックの「1ℓ for 10ℓ」のようなキャンペーンに対しては、CSR指標の評価対象とする。

宣伝・広告の効果測定の手法は、ある程度確立されていますから、その数値をCSR指標に組み込むことは可能です。

そうすると、企業は宣伝予算をCSR広告に積極的に割くようになる。

そうすると、メディアは、社会貢献番組や社会貢献雑誌を作れば、広告を取れるとなりますから、そんんな番組や特集記事や専門誌がガンガン増える。

そうなると、世の中的に社会貢献ブームが巻き起こり、みんなが社会貢献に大きな関心を持つようになる。

そうすると、企業は社会貢献しないと、生活者の支持を得られないので、ますます社会貢献に力を注ぐ。

そんな好循環を作り出すためにも、CSR指標を創って欲しいものであります。(竹井)

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/224259/41400233

この記事へのトラックバック一覧です: CSR株価指数:

コメント

SRI指標というのを各投資評価会社が出してるんですが
結局そのランクに入るのは大企業ばかりです

環境保全に売り上げの何パーセントを出してるとか
とにかくありきたりの指標なんで
結局資本力のある大企業が有利なので
みててもちっともおもしろくない

優等生の成績表みせられるようで

おもしろくない指標なら、いくら増えてもインパクト足りない気がします

その点、広告宣伝に踏み込むのはおもしろいけど
利害関係が複雑で、一般指標になりうるか?
何をもってどこまでをCSR貢献広告と決めるか?sweat01

でもとにかく個性の浮き立つCSR指標はほしいですね

定数指標じゃなく
定性指標というか

あたしたちで
創っちゃいましょうか
そのうち(笑)

投稿 大浦 | 2008年6月 2日 (月) 23時16分

たしかに、SRI指標はCSR指標でもあるのですが、今日のお話しのポイントは、証券取引所公式の指標作りが大事というところですね。lovely

ご指摘の通り、現在の各種SRI指標は、おもしろいもの=インパクトのあるものが見あたりません。sad

誰もが納得できる指標作りは難しいですが、誰かがやるべきですよね。

>あたしたちで
創っちゃいましょうか

作るのはおもしろいですが、僕が作った指標を市場が信頼するとは思えなかったりwobbly

投稿 竹井善昭 | 2008年6月 3日 (火) 03時40分

ヘヘヘ

記事のポイントが東証ってのはわかってたんですけど

竹井さんの記事を使わしてもらって

ふだん思ってることをムリクリ言うってんですか(笑)

ここは唯一、言いたいことを好きに言える場所なのでconfident

投稿 大浦 | 2008年6月 3日 (火) 21時34分

コメントを書く