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【コラム】世界から見た韓国の位置(下)

 何も韓国電子産業の技術力を低評価しようというのではない。同じ部品と同じ装備を使いながらも、より安く、より質のいい製品を作り上げる技術に関しては、韓国が日本を上回るケースもある。しかし、部品や素材面で相変わらず日本を頼りとしなければならない構造は、今も昔も変わらない。このように日本の技術力がなければいつでも崩壊してしまうという貧弱な基盤は、何も薄型テレビ分野に限ったことではない。数年前から「韓国が世界最高」と誇っている半導体分野でも、実は同じことが言えるのだ。「韓国電子産業がいよいよ日本を追い越した」と浮き足立っていた間に、対日貿易赤字は1990年の59億ドル(約6136億円)から2007年には298億ドル(約3兆992億円)へと5倍にまで膨らんだが、この数字がすべてを物語っている。

 シャープがリードしてきた40年間にわたる液晶技術は、裾野が広い日本の部品、素材メーカーを土台としている。つまり、ここ数年で韓国が作り上げてきた金字塔は、日本の技術的土台の上で築き上げられたものなのだ。考えてみれば「20年の技術力が40年の技術力をしのぐ」などという虫のいい話は、そもそも存在しないのかもしれない。サムスンが日本で「SAMSUNG」ブランドをひた隠しにしてまでも自らを低めなければならない姿勢から、われわれは多くのことを悟らなければならない。こうした日本の深さに追い付いていくためには、日本が傾けてきた数十年、数百年にわたる努力は欠かせない。しかしこれまで韓国は、こうした過程をすべて省略し、自らを誇示することだけに夢中になってきたのではなかったか。

 海外から見れば、韓国は依然として弱小国にすぎない。強い国の技術力、強い国の外交力、強い国の資本力、強い国の消費力を頼りとしていく以外には、生存していくことができない小さな国でもある。だからこそ外に向かっていく場合には限りなく謙虚でなければならないし、限りなく忍耐しなければならないのだ。これが韓国の宿命であるとともに、繁栄に向かう道なのではないかと感じる。少なくとも外から見れば、そうなのだ。

東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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