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お見合い中のトラ、飼育員かみ殺す…発情期で興奮?

 京都・左京区の京都市動物園で7日、おりを清掃中だった飼育員の伊藤淳さん(40)が倒れているのを来園者が発見した。11歳のアムールトラ「ビクトル」(雄)に首や顔など複数か所をかまれたとみられ、病院で死亡が確認された。伊藤さんは単独作業中、扉を閉め忘れ侵入を許したとみられる。ビクトルは繁殖のため多摩動物公園(東京)から借り受け、「お見合い」中だった。

 親子連れらでにぎわう動物園のほのぼのした空気は、惨劇で断ち切られた。7日午前9時50分ごろ、京都市動物園の来園者の女性が事務所に駆け込んだ。「飼育員がおりの中で血を流して倒れている」−。

 職員が急行すると、伊藤さんが寝室部分であおむけに横たわっていた。床には、血だまりがべっとり。伊藤さんは病院に運ばれたが午後1時前、死亡が確認された。首や頭、顔面など数か所に、かまれたり引っかかれた痕跡があった。検視の結果、死因は首付近の骨折などだった。

 伊藤さんに襲いかかったのは、11歳のアムールトラ「ビクトル」(雄)。口に血が付着していた。体重は約150キロ。昨年10月から繁殖のため東京から“出張お見合い中”だった。ビクトルは、獣医師に麻酔銃を撃たれ、寝室とグラウンド間の通路に隔離された。

 ビクトルらの飼育スペースは寝室2つとグラウンド、そしてこれら3か所を連絡する通路。京都府警川端署などの調べによると、伊藤さんはニワトリでビクトルを寝室の外におびき寄せ、自身が寝室で清掃に取りかかろうとしたところ、開けっ放しの扉からビクトルが戻ってしまったらしい。

 最近は夜間、お見合いの相手である、同じおりに住む3歳の雌「アオイ」に発情させるため、寝室2部屋の扉をともに開放していた。清掃作業などの際は閉めきる決まりだった。

 同署は、扉の開閉状況を十分確認せず作業にかかった可能性があるとみて調査中。「長谷川淳一園長(52)は「もう一度危険防止について検討し、二度と事故が起きないようにしたい」と沈痛な表情を浮かべた。

 伊藤さんは1994年10月から同園に勤務。ビクトルを4人1組で面倒を見ていた。

 事故当時、園内には約200人がいたが、同園は客を外に誘導し、午前10時半ごろから臨時休園にした。孫(5)と一緒に訪れた京都市上京区の植松千束さん(62)は「せっかく晴れて、孫も楽しみにしていたので残念です。怖いですね」とショックを隠せない様子。

 同園では05年1月に、男性飼育員がホッキョクグマに襲われ重傷を負ったが、死亡事故は1903年の開園以来初めて。8日も臨時休園する。

 ◆動物による主な死亡事故
▼ゾウ 90年8月、「群馬サファリワールド」で飼育係の男性がアフリカゾウの鼻に巻かれて死亡。
▼トラ 97年8月、「群馬サファリワールド」で車外に出た夫婦がベンガルトラにかまれて死亡。
▼ライオン 03年4月、大分県「九州自然動物公園アフリカンサファリ」で男性職員が放し飼いのライオンに胸や腹をかまれ死亡。
▼ツキノワグマ 05年3月、動物園「富山市ファミリーパーク」のクマ舎で、男性飼育員がツキノワグマに頭や顔などをかまれ死亡。
▼ヒグマ 05年10月、静岡県の「富士サファリパーク富士自然動物公園」で、飼育員がヒグマに頭や左足などをかまれ死亡。
▲▲ 飼育員にかみついた後、隔離されたアムールトラ「ビクトル」【右上】惨劇が起きた京都市動物園のトラのおり(読売新聞社ヘリから)


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