トラ襲撃、扉閉め忘れか 死因は首の骨折 京都市動物園2008年06月08日01時55分 京都市動物園(同市左京区)で7日、飼育員の伊藤淳さん(40)がトラに襲われて死亡した事故で、死因は京都府警川端署の調べで首の骨折とわかった。伊藤さんはトラの侵入を防ぐ扉が開いた状態でトラ舎の寝室に入り、隣室から移動してきたトラに襲われたとみられ、同園は扉を閉め忘れた可能性があるとの見方を強めている。
同園はトラ舎で、アムールトラのオス・ビクトル(11歳)と、メス・アオイ(3歳)の2頭を飼育。トラ舎は東西2区画ある寝室とグラウンドのほか、各区画を結ぶ内部通路からなる。 園によると、伊藤さんはトラ舎の清掃やえさやりのために東側の寝室に入室。アオイは隔離されたグラウンドにおり、ビクトルは西側の寝室か通路付近にいたとみられる。東西の寝室と通路を仕切るステンレス製の扉が2カ所とも開いたままだったため、通路を通って東の寝室へ移動したビクトルが伊藤さんを襲撃。その後、伊藤さんを引きずるようにして西の寝室へ移したとみられる。 各区画の扉は2階の職員用通路で遠隔操作できる。えさを与えたり清掃したりするために入室する際は、必ず各区画を仕切る扉を閉めてトラの侵入を防ぐ決まりになっている。事故当時、トラ舎にいた飼育員は伊藤さんだけで、扉に故障はなかったという。 同園では05年1月にも、ホッキョクグマに飼育員が襲われ、頭などに重傷を負う事故があった。この時はえさをグラウンドに置く際、クマがいる隣室との間を仕切る扉を誤って開けたことが原因だった。同園はその後、毎週火曜だけ2人1組で手順を確認する対策をとったが、トラなどの猛獣も含めて火曜以外は1人で世話をする態勢を続けてきた。 同園は8、9両日を休園とするほか、猛獣や手間のかかる動物については当面、2人1組で世話する方針を決めた。特に扉の開閉時など安全にかかわる作業については必ず複数の飼育員でするようにしたいという。 長谷川淳一園長は「伊藤さんはお客さんに喜んでもらおうと努力する人で、事故は大変残念。今後は人為的なリスクを防ぐため努力していく」と話した。 PR情報社会
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