自殺直前に会話、川田アナ「他の人にやらせないで…」
自殺した元TBSのフリーアナ、川田亜子さん(享年29)と親交があったマット・テーラー氏が監督した映画「GATE」の試写会が1日、都内で開かれた。終了後の会見でテーラー氏は「彼女が司会を務めるはずだった…」と涙ながらに話した。
映画は、原爆投下後の広島で採取された「原爆の火」を米国にある世界初の核実験場に運んで消し、核廃絶を祈る日本人僧侶らを追ったドキュメンタリー。テーラー氏は米NGO「世界核兵器解体基金」の代表で、幼少期に日本で平和を願い行脚する僧侶を見たことが、映画制作につながったという。
報道志望だった川田さんは昨年11月に核廃絶を訴えるテーラー氏と知り合い、映画製作にもボランティアとして積極的に参加していたという。
この日、テーラー氏は「私のもうひとりのボランティアに今日、ここにいてほしかった。来れないので、この映画を捧げます」とあいさつ。その後、報道陣に囲まれると、川田さんの思い出を語り始めた。
「彼女はこの映画を見て何度も泣いていました。ピュアな方でした。編集や日本語の手直しなども手伝ってくれました」
テーラー氏は、川田さんが自殺する直前の25日にも会っていたとされるが、最近の様子については、「何かをやりたいという強い希望が出てきた、と言っていた。きょうの日を楽しみにしていた」と言葉を詰まらせ涙ぐんだ。
川田さんは試写会の司会を約束していた。「他の人にやらせないで、と強く言っていました」とテーラー氏。7月12日から全国公開される映画のクレジットには川田さんの名前も入れるという。
試写会には主題歌「GATE」を担当した音楽プロデューサーの小林武史氏(48)と歌手の伊藤由奈(24)、鴨下一郎環境相も出席した。