豪首相が「アジア太平洋共同体」構想
オーストラリアのラッド首相が今月8日からの初めての訪日を前にシドニーで演説し、「アジア版EU」とも言える「アジア太平洋共同体」の創設を提唱しました。また、「親中派」と呼ばれていることに対し、「日本を軽視してはいない」と語りました。 「アジア太平洋共同体のビジョンが必要なのです」(オーストラリア ラッド首相) ラッド首相が提唱する「アジア太平洋共同体」構想は、日本や中国、インド、オーストラリアなどアジア太平洋諸国にアメリカを加え、域内の各国が経済と安全保障などの分野で協力するコミュニティーを設立するというもので、いわばアジア版のEUとも言え、2020年までの実現を目指すとしています。 APEC=アジア太平洋協力会議が1989年に、やはり当時のオーストラリア労働党政権のホーク首相の提唱で実現していますが、今回のラッド首相の構想に、野党などからは「少々押しつけがましいアイデアだ」との批判も出ています。 「(首相の構想は)時期尚早で、強い2か国間関係の確立が先決です」(オーストラリア アンドリュー・ロブ氏) 一方、初めての訪日前にキャンベラで日本人記者団と会見したラッド首相は、就任以来、中国偏重政策をとっているのではないかとの批判に対し、「新政権発足6ヶ月で7人の閣僚と高官を日本に送っており、日本を軽視してはいない」と釈明しました。 「(日本との関係は)我が国の国益と国民にとって大変重要です。将来、両国がより多くの防衛協力をしていけると考えています」(オーストラリア ラッド首相) 8日から12日まで日本に滞在するラッド首相は、オーストラリアが「国際法廷への提訴も辞さない」と強く反対する日本の調査捕鯨問題についても、首脳会談で福田総理と外交的解決に向け率直に話し合いたいとしています。(07日13:30)
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