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食料サミット 洞爺湖で日本の責任重く

 価格が高騰する食料問題の解決策を探るため国連食糧農業機関(FAO)が主催しローマで開かれた食料サミットは、危機への対応策として国際社会に「緊急の協調行動」を求める宣言を採択して閉幕した。

 中南米やアフリカなど世界各地で暴動が発生する事態を受け、サミットへは百八十三カ国が代表団を派遣し、日本を含む四十四カ国の首脳が白熱の議論を展開した。食料危機が地球温暖化と並ぶ重要な問題であるとのメッセージを世界に発信した意義は大きい。

 宣言では「食料は政治的、経済的な手段として使われるべきではない」と主張し、発展途上国の「八億五千四百万人が栄養不良に陥っている」と訴えた。短期的対策としては、途上国支援の増額を要請し、食料援助の上積みや食料増産のため農家が種子、肥料、飼料などを入手できるよう支援することなどを挙げている。こうした対策が当面の問題解決には重要であることは間違いなかろう。

 焦点となったのは、食料価格高騰の一因とされるバイオ燃料と食料輸出規制の見直しだったが、関係各国の立場が激しく対立して大胆な方針を打ち出すことはできなかった。

 バイオ燃料は、食料生産を圧迫するなどとしてインドやエジプトが規制を主張したのに対し、地球温暖化対策にもなるとして推進する立場の米国やブラジルは、価格高騰への影響はごくわずかであると反論した。輸出規制をめぐっても、自国の食料供給を優先する生産国と、人道目的のため解除を求める日本などの輸入国の間で決着がつかなかった。

 バイオ燃料について当初の宣言案では、国際指針づくりなどを検討するはずだったが、「徹底的な調査研究」と「国際的対話」を促すという表現になった。輸出規制についても制限的措置の発動は「最小限にする」とした。いずれも表現は大幅に後退している。すぐに食料価格を落ち着かせる効果は期待できそうもない。

 日本は、福田康夫首相が稲わらなど食料以外の原料を使う「第二世代」のバイオ燃料の開発や、農産物市場に流入している投機資金への監視強化を訴え、危機克服に向け積極的姿勢をアピールした。

 今回の食料サミットで各国の立場の違いがより鮮明となった。七月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)で議長役を務める日本は、これまでの議論を引き継いで、難題解決の道筋を示す重い責任を負った。福田首相のリーダーシップが問われる。


公園遊具指針 安全に楽しく遊ばせたい

 公園の遊具の老朽化などによる子どもの重大事故を防ぐため、国土交通省が自治体向けの安全対策ガイドライン(指針)の改定内容をまとめた。

 遊具を安全に使用できる目安となる十―十五年の「標準使用期間」をメーカーが設定し、自治体に通知する制度を新たに設ける。ブランコのチェーン、ロープ類など劣化が進みやすい消耗部材は標準期間内であっても交換するようにする。

 自治体には、使用期間を超えた遊具の点検強化や、買い替えの検討を求める。また、計画的な維持管理のため点検や補修状況を記した遊具履歴書の作成を促すことも盛り込んだ。

 現行の指針は、対面式の箱ブランコなどで子どもの重大事故が続いたことから二〇〇二年に策定された。法的拘束力はないが、遊具の維持管理手順などを示した。事故はその後も絶えず国交省に報告があった死亡、重傷事故は〇二―〇七年度に五十三件を数える。うち二十二件は点検で老朽化などに対処していれば防げたとみられることから国交省が改定に着手した。

 標準使用期間の設定は、必要性が指摘されながらここまで時間がかかった。期間を超えた途端遊具の使用を止めたり撤去する自治体が相次ぐ事態を、国交省が懸念したためという。

 遊具には、年齢が異なる子ども同士の遊びのきっかけをつくったり、挑戦する心を養う役目がある。むやみな使用中止や撤去は適当ではない。

 傷み具合が設置場所や使用頻度で違う点も考えれば、自治体などによるこまめな点検が大切になろう。国交省は七月の正式決定に向け、改定案について一般から意見を募っている。大人が意見を出し合い、子どもの安全と心身の発達を両立できる有用な指針としたい。

(2008年6月7日掲載)
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