IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内におけるPC市場出荷速報について発表しました。これによると、2008年第1四半期(1月~3月)の国内PC出荷台数は、前年同期比2.2%増の419万台となりました。2007年第4四半期に続き、家庭市場、ビジネス市場の両方がプラス成長となりました。
家庭市場は、2007年第4四半期の春モデル前倒し出荷の影響から、今期の冷え込みが懸念されましたが、デスクトップが復調し、前年同期比2.1%増のプラス成長となりました。一方、ビジネス市場は、円高の影響により中堅中小企業が伸び悩み、前年同期比2.3%増にとどまりました。
ベンダー・ハイライト
今期はデル、HP、レノボなどの外資系大手ベンダーが好調となり、前年同期比で2桁の成長を遂げました。円高によるメリットを生かし、価格攻勢をかけたことが実を結んだものと考えられます。一方、国内大手ベンダーは1月、2月と順調に出荷を伸ばしましたが3月に減速し、2008年第1四半期は昨年並みの結果となりました。
NECはシェア20.7%を確保し1位となりましたが、出荷台数は昨年とほぼ同じ台数にとどまりました。
富士通は出荷台数が前年同期比2.7%減となり、シェア18.5%で、2位となりました。家庭向けPCの春モデルを12月に前倒ししたことが影響し、今期は伸び悩みました。
デルは、家庭市場向けデスクトップの出荷台数が昨年同期比で約2倍となり、ビジネス市場では中堅中小企業向けの販売が好調でした。
東芝は、シェア9.3%を確保し、4位となりました。家庭市場では富士通同様、春モデルを12月に前倒ししたためマイナス成長になりましたが、ビジネス市場では教育向けの出荷が好調となり、全体でプラス成長になりました。
5位を維持したHPは、前年同期比13.9%増と、5期連続前年比2桁成長を遂げました。デルと同様、家庭市場向けデスクトップの出荷台数を大きく伸ばし、ビジネス市場では中堅中小企業に対する出荷が順調でした。
IDC Japan PCs グループマネジャーの片山雅 弘は「2008年第1四半期の家庭市場は、デスクトップが2期連続でプラス成長となった。世界市場を見ると西ヨーロッパ、アメリカを含め、先進諸国のなかでデスクトップがプラス成長に転化した市場はない。日本においてデスクトップの動向が今後の家庭市場を左右するといっても過言ではない。ユーザーがデスクトップに新たな価値を見出したのか、PCベンダーはその変化の原因を早急に精査する必要がある」と分析しています。
2008年第2四半期の見通し
2008年第2四半期は引き続き、円高が家庭市場、ビジネス市場に影響を与えるとIDCではみています。家庭市場は円高還元への期待感から市場が少し持ち直してプラス成長を維持し、ビジネス市場は、中堅中小企業が減速するため、前回の予測から若干下方に振れるとみています。またベンダー間では、外資系ベンダーが価格攻勢を継続し、国内ベンダーの対応を余儀なくされる可能性があるとIDCでは分析しています。
今回の発表は速報値であり、将来変更となる可能性があります。IDCが発行するレポート「Japan PC 2008-2012 Forecast and Q108 Vendor Shares: Quarterly Model Analysis」(J8100402)にその詳細が報告されています。本レポートでは、2008年第1四半期の国内PC市場実績と2008年から2012年までの市場予測が掲載されます。
(※レポートの詳細については
へお問合せ下さい。)
本調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自の分析を行い算出したものです。ここでいう国内のPC市場には、x86サーバー、デスクトップPC、ポータブルPCが含まれています。IDCではより正確な情報を提供するため、過去の実績を含むデータの見直しを随時行っています。そのため、本発表で用いられる数値はIDCが過去に発表したものと異なることがあります。
<参考資料>
2008年第1四半期 国内PC出荷台数トップ5ベンダーシェア、前年比成長率(速報値)
Source: IDC Japan, 5/2008
|