戦時中に強制連行され、収容先の長崎刑務所浦上刑務支所(現・平和公園)で原爆により死亡した中国人33人の追悼碑建立に向け、建立委員会(代表=本島等・元長崎市長)が4日、長崎市新大工町の商店街で募金活動を行った。チベットを巡る反中国感情のせいか、一時は募金が集まらずピンチに陥ったが、市民の協力で目標の建立碑300万円のうち約半分を集めることに成功したという。
建立委員会は、中国人強制連行訴訟を支援してきた市民らで結成。この日の募金活動には、本島さんら委員会メンバー約10人が参加し、建立支援を求めるビラを商店街の買い物客に手渡し、募金を呼びかけた。
本島さんはハンドマイクを持ち、中国から約4万人の若者が日本に強制連行されたことや、長崎の高島、端島など4炭鉱で約1000人が働かされたことなどを説明。「ばかばかしい理由で(浦上刑務支所に)入れられ、原爆で命を奪われた。私と同年代の人たちだと思うと、どうしても追悼碑を作りたい」
同委員会の平野伸人さん(61)も「市民の力で中国人原爆被害者の追悼碑を作ることに意味がある。皆さんのご協力をお願いします」と呼びかけた。追悼碑除幕式は7月7日の予定。【下原知広】
〔長崎版〕
毎日新聞 2008年6月5日 地方版