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「ヨン様感じたい」高麗神社へ 埼玉・日高に女性続々

2008年06月07日22時26分

 かつて朝鮮半島で栄えた高句麗と縁が深い、埼玉県日高市の高麗(こま)神社が人気だ。俳優ペ・ヨンジュンさんが高句麗の王を演じる韓国ドラマ「太王四神記(たいおうしじんき)」のヒットで高句麗への関心が高まり、ゆかりの地に触れようと観光客の姿が絶えない。

 高麗神社によると、ドラマのファンとみられる参拝客は韓国で放映が始まった昨年9月ごろから訪れ始めた。30〜60代の女性グループが目立つようになり、ドラマのヒットを願う絵馬を奉納する人も。「韓国名の高句麗の王について問い合わせが来るので驚きました」と60代目宮司の高麗(こま)文康さん(41)は話す。

 日本ではBSハイビジョンで昨年12月から、地上波ではNHKで今年4月から放映。その後はカメラを手に神社を訪れる韓流ファンの姿が絶えないという。テレビを見て来たという、さいたま市の主婦井手絹子さん(53)は「ドラマと関係ある場所にいると思うと、ゾクゾクします」。

 4月には、高句麗時代の遺跡が残る韓国・九里市から朴栄舜(パク・ヨンスン)市長はじめ市民ら約100人も来日し、高麗神社を訪れた。ブームにわく韓国と日本の交流を深めようとNPOが企画したイベントで、俳優チェ・スジョンさんも参加。日本の韓流ファンらも500人以上集まった。

 人気に注目したのが日高市の菓子店「栗こま娘本舗亀屋」。4種類の味が楽しめる「四神カステラ」を昨年12月から販売し、売り上げは上々という。地元のしょうゆ製造会社も「四神ドレッシング」を作った。

 高麗神社は、百済、新羅と三国時代を築いた高句麗(紀元前1〜7世紀)から渡来した王族をまつり、旧高麗郡(日高市周辺)の象徴となっている。同神社は、郡が置かれて1300年にあたる2016年に向けて高麗人の文化や業績を紹介する記念事業を進めている。高麗宮司は「参拝者を大切にしながら、神社と日韓の歴史・文化を正しく伝えていきたい」と話す。(中野龍三)

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