現在700万人ともいわれている避難生活者の中には路上での寝泊りをせざるをえない人々が大勢いる。中国は引き続き各国にテントの支援を要求している。これじゃあ、オリンピックどころではないわな。四川地震からそろそろ3週間がたとうとしている。
四川省綿竹、被害が大きかった所だ。現在7000人が不自由な生活を強いられている。一つのテントに複数の家族10人以上が暮らし、折り重なるようにして(餃子寝)寝ています。
こうした避難生活を送っている人は被災地の全体で700万人を超えているという。330万余りのテントや仮設住宅が必要とも言われているが実際被災地に送られたのは、二割程度。
2次災害の危険に直面している被災者も少なくない。とりわけ懸念されているのが土砂崩れで川がせき止められた「せき止め湖」の決壊だ。もっとも規模が大きい北川県にできたせき止め湖は、毎日水位が二メートルずつ上昇しているという。
もし、この湖が決壊した場合、130万人が被災するおそれがあるという。一週間近くかけて、この巨大な湖のために長さ300メートルの排水路を作った。http://www.koumatsuba.zansu.com/gyuunyuunihakikengaippai/top.htm
///////////////////////////////////////////四川省汶川県にある中学校、今は無残に崩れ落ちている。地震で30人以上の生徒が亡くなった。なんとか逃げ延びた100人あまりの子供達は今、成都にある医科大学の施設で避難生活をしている。今回の地震で親と子は離れ離れになった。今でも親と連絡がとれない、という子供達がいる。この施設に避難している何潔さん。学校で授業を受けている時に被災した。
地震の時のことは思い出したくないという。いまだに、両親の行方はわからず、親類には地震で亡くなった人もいるという。「回りの子が楽しそうにしていると、気持ちが沈みます。今でも両親がどこにいるのか、とても心配。」沈み込んでいる何潔さん。日本に留学し、精神医療を6年間学んだ陳さんは気遣ってくれる。
陳さん:「彼女は友達とも交流が無い。今の考え方や精神状態をどうすればいいか・・・・」何潔さんに陳さんは声をかけてみるが、思うようにはいかない。
陳さんは阪神大震災で被災者のケアを担当した日本の臨床心理師から話をきく勉強会に参加した。ふさぎこんでいる子どもと、どうやってコミニュケーションをとってゆけばいいのか、たずねてみた。
「グループに加わってくれない子どもにどう対応すればいいのでしょうか?」
日本の心理師:「参加しなければならないものではない。個別のかかわりで、その子が笑顔を見せてくれればそれでいいのです。」迷いながらの取り組みが続く陳さん。模索しながらでも、子供達と向き合い続けるしかないと考えています。
陳さん:「誰しも、自然の回復力を持っているので、話したくないときは無理やりしないほうがいいと勉強しました。無理しない方針でいきたいと思います」多くの人々の生活に暗い影を落とした今回の地震。
大人にとっても、子どもにとっても以前の生活を取り戻すために、先の見えない手探りの日々が続く。
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校舎倒壊による、子供達の犠牲に多くの親たちは激しい怒りをつのらせている。耐震構造を軽視した手抜き工事の結果の犠牲は人災ではないのだろうか。(全壊した校舎の隣にはヒビが入った程度の政府の子供達が入園していた幼稚園の建物。)
「われわれ親が団結し、政府に説明を求めよう!!」親たちから沸き起こる、涙ながらの怒りの声の数々・・・。
地震のゆれに、各地の校舎がひとたまりもなく、倒壊していったのです。親たちはここまで校舎が壊れたのは「手抜き工事が原因」だと、当局に訴え続けている。親:「あんたたちは何をやっているんだ。!!!」 当局:「公式見解を申し上げている。」
親たちの怒りを、なんとか静めようと土下座する地元の市のトップ。そうした姿が、アメリカの新聞にも掲載された。学校などの建物の安全性が軽視されてきた背景は何か。
中国政府が建物を強化するよりも、地震予知のほうに力(金銭)を入れてきたことが関係していると指摘されている。5月13日国家地震局の会見が行われた際こんな質問が地元中国の記者から飛んだ「地震局は観測網を綿密に網羅・張り巡らせているはずだが。今回のような大規模な地震発生をなぜ事前につかめなかったのですか?」地震局幹部の答え:「我々は何もしてこなかったわけではない。」中国は1970年代から地震予知の研究に力を入れてきたという。たとえば井戸の水位の変化から
動物の動きに異変がないかなど、地震の様々な前兆予兆を捕らえようとしてたらしい。実際1975年におきた海城地震では、予知に成功。多くの建物が倒壊したものの、住民達をあらかじめ避難させたので、人的被害は最小限だったという。この成果を中国政府はアピールしてきた。
中国の地震対策を分析してきた災害リスクコンサルタントの東隆宏氏。 予知が地震対策の中心であることは((中国の)法律でも規定されていると指摘している。「中国の地震施策は、地震予知を重きに進められてきた」北京市地震局のHPにはニワトリが木に登る、馬が暴れる等さまざまな異変がイラストで掲載されていて、こうした異変が近くで見られたら
すぐに地震局に報告してください、といアピールしてある。しかし、今回甚大な被害をうけ、中国指導部は予知だけでなく、耐震対策もするべきだと強調。 温:「今回の地震で倒壊した学校や病院に関し、政府機関のデータを集め、地震から得た教訓を統括する必要がある」公共の建物(とくに小中学校)が次々に倒壊した今回の地震をきっかけに、予知に偏った中国の地震対策が変わる可能性もあると専門家はみているという。
東氏「予知と耐震強化、両だてで進めていかなければならない。今回の地震で非常に強く中国が感じはじめているだろうと思う」
中国の一部の学校では大規模な地震を想定した避難訓練がはじまったという。こうした取り組みは中国では過去、ほとんど見られなかったという。(先月27日に既に避難訓練が行われたという)
中国のメディアは連日(進んでいる)日本の震災対策が紹介している。日本ではあらかじめ、地域の避難場所が指定されており、案内標識も掲げられているということをなどだ。今になって「日頃から備えることの重要性」が認識されてきたということかもしれない。一方、中国政府は倒壊した学校を中心に、手抜き工事の調査に乗り出したという。鉄筋の太さ、数、コンクリートの内容物、建築資材、施工方法などで問題が見つかれば、業者を厳正に処分する方針(既に意図的に倒産して、新しい会社を作っているに違いない・・・。処分はほんの少しの業者だけに留まり「処分」をきちんとした、というアピールに使うだけで、体質は変わらず、オカラ工法の建物はこれからもあるのでは?)
今回の地震は中国のかかえる様々な問題を浮き彫りにした。かつてない規模の大地震とはいえ、被害の拡大を食い止めることはできなかったのか、検証しようとする動きがはじまっている。
今回の地震で中国は大きな犠牲を払って、災害への取り組みがいかに難しいものかを、学んだことになる。
中国が大国としてこれからも発展を目指すのであれば、何よりもまず、国民の命と暮らしを守る社会の基盤をしっかり固めなおせるかどうかが、問われることになろう。(って、あの人数。北京の人だけ中国人と思っている国だから。国民の『命』『暮らし』その安全には膨大な金がかかる。それを出し渋るのが今の中国だろう。オリンピックには湯水のごとくに金を出せても、今度いつくるか分らない地震のために、耐震性の高い建造物を建てる金は出すつもりは無いと見た)人より金になる「パンダ」の安否ばかりを気遣う中国の人だからね。
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by 刑天
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