2008年6月7日 12時23分更新
福岡県筑紫野市でシンナー密売の内偵捜査をしていた捜査員が4人組の男に襲われて警察手帳を奪われた事件で、暴力団・道仁会系の男ら4人が警察手帳の一部を持って出頭し、7日未明、強盗傷害などの疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは指定暴力団・道仁会系の暴力団員中村達也容疑者(23)と三笠秀丸容疑者(22)ら男4人です。
この事件は5日未明、筑紫野市の駐車場で福岡県警の捜査員2人がシンナー密売の内偵捜査をしていたところ、車から出てきた4人組の男に拳銃のようなものを突きつけられて腕などに軽いけがをした上、警察手帳1冊を奪われたものです。
警察は密売に絡んだ道仁会系の暴力団関係者の犯行とみて、久留米市内の事務所を捜索するなどして4人組の行方を捜査していました。その結果、6日、中村容疑者ら4人が警察手帳についていた金属製のエンブレムの部分を持って筑紫野警察署に出頭し、警察は7日未明、強盗傷害などの疑いで逮捕しました。
調べに対し4人はいずれも容疑を認めた上で「対立する暴力団の関係者と間違えて襲った。
手帳の残りの部分は川に捨てた」と供述しているということで、警察は当時の状況を詳しく調べています。
ところで捜査員2人は襲撃されて現場から逃げた後、手帳を探すため再び現場に戻りましたが、この際4人のうちの1人が近づき「手帳を返すので事件にするな」などと要求したということです。
これを拒否すると、男は車で逃げましたが、捜査員が拳銃を持っていなかったのに対し、相手が拳銃を隠し持っている疑いがあったため、逮捕や追跡はしなかったということです。
福岡県警は発生当日、こうした経緯について説明していませんでした。
当時の対応について福岡県警は「対象者の行動を確認する捜査だったため拳銃は持っていなかったが問題はなかった」としています。