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核問題:解決が再び難航か

 今月中にも北朝鮮が核開発プログラムの申告、寧辺の核施設冷却塔爆破、テロ支援国指定解除が完了し、6カ国協議が再開されるのではないかとの楽観論が様子見ムードに変わりつつある。

 先月北京で行われたヒル米国務次官補と北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官による会談が成果を上げられずに終わり、ワシントンでは米朝が当面は綱引きを展開するのではないかとの見方が強まっている。

 米国のプリチャード元朝鮮半島和平担当特使は「米国と北朝鮮が『核申告が先だ』『テロ支援国解除が先だ』と対立する状況が解決されていないようだ」と分析した。

 先月まで韓米両国は「寧辺の核施設の無能力化とテロ支援国、敵性国貿易法の解除を交換条件とする北朝鮮の非核化第2段階は問題なく進む」とみて、核廃棄を進める第3段階に焦点を移そうとしていた矢先だった。しかし、ブッシュ政権内で「北朝鮮が提出した寧辺核施設関連の1万8000ページの資料と北朝鮮が行う核開発プログラム申告に対する検証が優先されるべきだ」との主張がチェイニー副大統領を中心に持ち上がり、ムードが変わり始めた。

 テロ支援国解除をめぐっても、米国は日本人拉致被害者問題に進展がなければならないという従来の主張に押され、当面は解除を楽観できない状況だ。米国家安全保障会議(NSC)のグリーン元東アジア担当上級部長は公開の場で、「日本人拉致被害者の問題が解決されないままでテロ支援国指定を解除すれば、日米の同盟関係が危機に陥る」と指摘した。

 共和党の大統領候補に決まったマケイン上院議員が譲歩なき対北朝鮮政策を強調していることも、最近の状況変化の一因だ。マケイン上院議員は演説や寄稿を通じ、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」という原則を再び持ち出し、ブッシュ政権が対北朝鮮強硬政策を取っていた当時の姿勢に立ち返っている。

 一部では来月までに米朝両国が核開発プログラムの申告という非核化第2段階を完了できない場合、米大統領選のムードに押され、核問題の進展は期待できないとの悲観的な見方も出ている。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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