ニュース: 生活 RSS feed
おじさんが熱中 プラモデル工房 童心に帰れる“中高年の隠れ家” (2/2ページ)
■貴重なノウハウ
ファクトリーにはオープン当初から、陳列された零戦、戦艦大和、戦場を再現したジオラマ、スーパーカーなどの模型にうっとりする中高年男性の姿が。「製作に専念したい」という希望を持つ男性も多く、アトリエ会員登録数も一気に80人に。「全国のショッピングセンターから出店要請が引きも切らない」ほどだという。
製作中に作り方のアドバイスを受けられる「プラモデルマスター」の存在も大きい。「たとえば零戦のエンジンの金属の質感を豊かにするにはどう塗装したらいいか。ここではそんな疑問をその場で解消できます」と常駐の長谷川伸二マスターは話す。
こうしたノウハウは、これまで街の模型屋さんが指南していた。だが模型屋さんも量販店に押され衰退気味。プラモデルをめぐる流通構造の変化も、ファクトリーが人気を呼ぶ背景になっている。
■次は銀座か新橋に
それにしても、ここまでおじさんたちの支持を得るのはなぜなのか。
野村総研のチーフエコノミスト、リチャード・クー氏(54)は、自身もドイツ空軍機のプラモデルを自作し、本物のように撮影した写真集を出版した模型ファン。「子供のころに楽しんだものは大人になっても気分転換できるアイテム。アトリエに足を運ぶ人たちの気持ちはよく分かる」という。
そのうえで「中高年男性は、会社では上司や部下に挟まれ、家庭でも妻や子供たちに気を使い、心からリラックスできる場所がない。そんなおじさんたちの息抜きの場として、こうしたアトリエが出てきたのだろう」とみる。
「居場所」を求める中高年の切実な願望に、ファクトリーも「純粋の“おじさん工房”を目指し、次の出店はショッピングセンターではなく、銀座や新橋がふさわしいと考えている」と話している。