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2008年6月7日

 先の食料サミットでバイオ燃料の拡大は食料高騰を招くとして反対した日本だが、ブラジルや米国など生産国の抵抗が激しくて規制は尻すぼみに終わった

代わって提案したのが「稲わら」燃料だ。元々食料のトウモロコシやサトウキビを転用するから食料にしわ寄せがくる。そこで稲わらのような一種の廃棄物をバイオ燃料化しようとの主張である

民話「わらしべ長者」を思い出す。一本のわらを拾った男が、先に虫を付けて歩き始めると、それが次々とミカンや馬に交換され、長者の婿になる。稲わらを尊び、鶴や亀のわら工芸を生んだ北陸の農家をほうふつさせる話である

「稲わらバイオ」はこの話を科学的にしたもので、北陸農政局管内でも既に「もみ殻」利用の研究が新潟でスタートしている。コメどころ北陸でこそ生きる稲わら研究だろう。が、最初から、拾った一本のわらで小遣い稼ぎを狙うとセコイ話になる

役所のチケットでタクシーに乗り、ビールやつまみに換え、金券にまで化けさせる役人のいやしい根性が情けない。額に汗して働く人を思い、農作物への感謝があってこそだ。


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