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【三重】

県立4病院の昨年度赤字 9億5000万円に悪化見込み

2008年6月7日

 県立4病院の昨年度の経常赤字見込みが9億5000万円に上ることが分かった。経常赤字は2005年度の7200万円から06年度には9億6800万円と急激に悪化しており、厳しい経営が続いている実態が浮き彫りになった。

 赤字額は県病院事業庁が昨年度の最終補正予算から算出した。収益は170億円前後、支出は180億円前後になる見通しで、赤字は4年連続となる。

 病院別の赤字は、総合医療センター(四日市市)5億円、志摩病院(志摩市)3億5000万円、一志病院(津市)1億円。こころの医療センター(津市)は収支が等しかった。

 昨年度、収益面では一般会計からの繰り入れを8800万円増額し、入院や外来の医業収益も1億円増えた。しかし支出で人件費が1億5000万円、諸経費も1億円増え、収支の改善はならなかった。

 人件費が増えたのは、もともと定数に足りない医師を補い、臨床研修医の受け入れ数が増えたため。医業収益アップのため同庁は医師や看護師を確保することで、入院と外来ともに患者数を増やそうとしているが、患者数は前年度より減る見通し。今後は収益率を高める努力も必要になりそうだが、同庁県立病院経営室は「医師・看護師の確保にきゅうきゅうとして、経営改善に手が回せないでいる」としている。

 本年度も、県立病院事業の当初予算では経常赤字が11億7500万円を見込む。一般会計からの繰入額は4年連続で増え、本年度は1億5000万円増の45億円になった。

 県立病院の在り方については、有識者などによる検討委員会が民間移譲も含めた議論をしており、7月に委員会案が示される予定。

 (大島康介)

 

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