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産科施設の減少続く/医師の負担が重く
- 社会
- 2008/06/06
出産を扱う県内の医療機関が四月一日現在で一年前より五施設少ない百五十五施設となったことが六日、県の調査で分かった。医師数も減っているなかで、二〇〇八年度の出産の取り扱い数は前年並みの見込み。医療関係者は「特に病院勤務医の負担が重くなっている」と職場環境の改善を求めている。
出産を扱う百五十五施設の内訳は病院六十四、診療所五十九、助産所三十二施設。二〇〇七年四月に比べ、二病院と四診療所が減った一方、助産所は一施設増えた。
出産を扱う常勤医は病院が前年同期比三人減の三百三十七人、診療所は同五人減の九十三人だった。これに対し、出産扱い数は、病院では〇八年度の一年間で、前年よりも九百五十八件多い四万三千四百二十四件の見込み。診療所と助産所は減少を見込んでいるが、全体の見込み数は十六件少ないだけの六万七千百七十一件になった。
〇八年度中に出産の扱いを「やめる」と答えたのは一病院、二診療所、三助産所の計六施設。「減らす」と答えたのは四病院、四診療所、一助産所の九施設だった。全体の9%が出産の扱いをやめるか減らす意向を持っていることになる。
〇八年度も出産を扱う施設に医師や助産師などの実数と必要数を尋ねたところ、常勤医は実数より百六十二人(38%)多い五百八十二人、助産師も三百人(29%)多い千三百三十四人が必要と答えた。
県産科婦人科医会の八十島唯一会長は「当会の調査では、医師一人当たりの出産扱い数は〇七年度が百五十人で、五年前より十四人も増えている」と厳しい現状を指摘。「労働環境を改善したり、訴訟リスクを回避したりする努力をしなければ、産科医離れはますます進む」と危惧している。
調査は四月に医療機関百七十九施設に強力を依頼し、百六十八施設が回答した。
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